そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.397  学校図書館活動推進委員会

「全国学校図書館協議会西部地区学校図書館活動推進委員会」を今年は福岡県で開催するので来てほしい,という案内があった。去年は東京で全国の推進委員が集まって総会を開いたのだが,今年は地区でするように,ということらしい。東京でしようが,九州でしようが,鳥取からの距離は地理的な距離以上に遠い。しかし,年に1回の会なのだからと出かけることにした。

 今年はこれで3度目の九州旅行だった。2月の終わりの「佐賀・焼き物の里めぐり」,9月の「阿蘇山,国東半島歴史探訪」,そして今回。2月は自家用車で,9月はバスで,今回は列車の旅とする。智頭急行線ができて,山陰から京阪神へはだいぶ便利になった。九州方面へも佐用・小郡から岡山に出て新幹線を使うとこれまでよりもずっと早く着く。それにしても前泊しなければ,午前からの会には間に合わない。会場は行橋だったが小倉で泊まることにした。

 小倉には昼ごろ到着。ラーメンを食べて,ちょっと観光。観光案内で聞くと,松本清張記念館,小倉城のあたりを勧められた。松本清張記念館にはぜひ行ってみたいと思っていたので,早速100円バスで向かう。近頃あちこちの市街地に100円バスがある。いちいちいくらなのか確かめなくても,近くの観光地はすべて100円区間なのだから便利だ。

「小倉城2」というバス停で下車。小倉城に上がる右側に記念館はあった。松本清張の作品は以前ずいぶん読んだ。推理小説は政治がらみのものが多く,読んで怒りを覚えたりしたものだ。歴史小説,古代史,近代史など実に幅広く,深く研究をしている作家だった。小倉生まれの彼の記念館に来て,改めて彼の作家としての偉大さを感じる。
 記念館を出て小倉城に上って,小倉城庭園を散策して,さて,ホテルはこの近くだったはずだと,地図を頼りに2・3百m歩くと紫川の橋のほとりにあった。

 翌日,今回の旅行の主目的の委員会。行橋駅から徒歩10分と案内にあるので,30分もあれば余裕だなと思っていたら,会場が分からない。3度も途中道を尋ねて,結局着いたのは10分前。「案内に偽りありだな」とひとりごと。
 西部地区といえば中国・四国・九州までの広い範囲になるが,委員が出ているのは鳥取・山口・香川・愛媛・鹿児島・福岡・宮崎・沖縄の8県。今回の出席はその内の6県7名。出席者の多くは昨年東京で話し合いを持ったメンバーだったので,現在のそれぞれの県の学校図書館の状況を遠慮なく話し,今後の取組みについて考えることができた。

 ちょうど福岡県学校図書館大会が同じ会場で開かれていて(というより,その大会にあわせて私たちの会を持ったというほうが当たっている),私たちも来賓として顔を見せてほしいという。「ちょっと予定外の話だな」と思ったが,別にどうということでもないので,分科会に参加し,全体会ではステージに上がる。それで大会の雰囲気が少しでも盛り上がるのならそれもいいか。交通費・宿泊費も全額ではないがもらっているのだから。