そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.406  役員退任

 2年間の地区役員は大変だった。いったいどんな仕事があるのかわからないままに引き受けたのだが,年間数十回の役員会,多くの行事・事業に振り回された2年間であった。
 総務という役がいったい何をするのかも知らなかった。聞いてみると,行事全般・建造物関係だという。それでもまだ何のことやらわからない。しかし,日にちがたつに連れて次第に明らかになってきた。

1月は初詣,元旦の朝早くバスを仕立てて希望者が乗り合わせて神社にお参りをする。お供えの準備をしなければならない。8日は「初薬師」といって薬師堂で近くのお寺の住職に来てもらってお経を上げてもらう。これもお供えの準備。15日ごろには「とんどさん」。
竹を切ってきて組み合わせ,ちょっとそれらしく飾っておかねばならない。朝の開始が早いので,前日準備。15日には講舎篭りもある。これは黒住教の行事だが,勝見に神社があるので地区の人もお参りする。役員も当然お参りをしなければならない。

 2月は「節分」の行事。お寺の行事だが,これも準備から後始末までしなければならない。11日には「正和会」という行事がある。成人とか初老とか還暦などの人の祈願祭に合わせて,みんなが集まって演芸大会をして楽しむものだ。これには役員が総がかりで,賞品などの準備をする。会の進行なども総務の役目。宗教的行事とはいえないが,総務が中心となる。旧暦1月4日には「唐辛子味噌」という行事がある。これは江戸時代勝見に大火があって,人々は唐辛子味噌をなめて心を引き締めて復興に向かった,といういわれに基づくもの。役員は味噌作りから準備にかかる。

 3月には,「勝山稲荷神社」の例祭がある。山の中腹に稲荷神社の小さな祠があって,そこのお祭りである。米や油揚げをお供えする。初詣をする神社の末社なので,そこの宮司に来てもらって祝詞をあげてもらう。月末からは4月の「薬師祭り」の準備にかからなければならない。

 4月の第3日曜日が本祭りで,その前日が宵祭り。祭りの打ち合わせが終わると,品物の準備にかかる。煎餅やもち米の注文が急がれる。用具を洗って乾かしておかなければならない。せんべいやもち米は業者から2・3日前に届く。もちつきは宵祭りの前日に役員総がかりで行う。せんべいの仕分けは当日午前の仕事。のぼりを立ててお経をもらって,薬師如来の名代が乗ると屋台の出発。役員は交代で屋台に付くことになっている。屋台が帰ってくるのは夜。そこでまたお経をもらって祭りは終了。後始末は当日だけではできず,翌日も公民館通い。

 祭りがすんでちょっとほっとして,7月には「勝山稲荷神社の夏篭り」。この日は,冷奴を食べる慣わしになっているので,前もって豆腐の注文をしておく。
 8月の「貝がら節祭り」,9月の「地区運動会」は公民館が中心の行事だが,協力しないわけには行かない。
 12月の「納め薬師」で宗教的な行事は終わることになる。後は正月飾りやお供え物をして1年間がやっと終わる(一般的な事業は省略)。

 さらにこの間に,公民館改修工事,薬師堂改修工事を行ったため,本当に気の休まるときのない2年間だった。これからちょっと楽になるかな。