そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.415  町誌ラストスパート・パート2

 まさかここで「パート2」を書くようになるとは思わなかった。情勢一変である。鳥取市の17年度予算がほぼ確定したそうで,なんと,気高町誌に対する予算は印刷に関するものはついていない(0査定)のだそうだ。ということは,18年3月に出版の予定で進めてきた作業は1年先送りになる。まだ完全でない原稿があるにしても何とか4月には編集を終えて,印刷業者との話に入ろうと必死の努力をしてきたのに何ということだ。

 なんでも新規事業はすべて落とされているらしい。新聞でもそのことは報じていた。例えば小学校プールの老朽化に伴う改築について,気高町では4小学校のうち3小学校を終え,17年度には残る浜村小学校にかかる予定で話を進めていた。しかし,これも予算化されなかった。鳥取市になれば鳥取市のルールに従ってもらう,というわけだ。
 でも,それでいいのかな。「サービスは高いほうに,負担は低いほうに合わせる」をキャッチフレーズに合併を進めてきたのじゃないのかな。

 何かというと「金がない」の一点張りだという。大体それが事実なら,とっくの昔にわかっていたはずだ。平成16年7月に配られた『市民生活(合併後の疑問にお答えします)』という小冊子には「よくなる」ことばかりを並べて,疑問には正確には答えず,まさにごまかし行政だ。小さいなら小さいなりにやってきた自治体の方針や方向もきちんと受け止めて,後始末までやるのが大人の考えではないのか。
 気高総合支庁舎の担当課長も「需要費(消耗品代)も本当に少なくなって……」「郵送費も節約しなければ……」と嘆く。なんということだ。合併がまったくプラスになっていない。

ちょっと話はそれるが,もちろん節約できるところはするのがいい。なんでも金を使えばいいというものではない。そのことは私自身も感じていたことである。
例えば現職のころの学校から配布する文書。校区全家庭のものもあれば,役付きの人宛のものもある。校区外のものもある。校区全家庭のものであれば子どもたちに頼むがいい。近所でありながら,どこに誰が住んでいるか知らない子どもだってある。職員に頼むことができる文書だってある。プライバシーだとかなんだとか面倒なことが出てきて,文書は原則として郵送ということになっているが,それが近所づきあいにふたをする一因にもなっているのだ。

とにかくそういうことで,気高町誌発行は一年延期になった。じっくり原稿や資料を検討する時間ができたのはいいことだが,なんだか間延びしてしまって緊張感が薄れるのではないか。町内のいろいろなところに無理してお願いして回ったのに,あれは一体なんだったのだ。
それにしても1年間のロングスパートでは疲れる。まあ,ちょっとこれからの作戦を考え直してみよう。