そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.42 庭の花々 6月の庭

   6月。すっかり夏の気配。山の緑に日の照り返しがまぶしい。私にとってほぼ1ヶ月ぶりの我が家の庭も,暑い夏を迎えようとしていた。

 道路と花壇の境に植えているガザニアが満開だ。これは非常に繁殖力の強い花で,どこかからもらったものを植えておいたのがどんどん増えて,見事な花を見せるようになった。花期が長いので株分けをして道路べりに植えて,花壇の範囲を示す花としている。

 なでしこの仲間の小さな赤い花もよく増えた。これは園芸の通販で3年ほど前に買ったものだが,名前を忘れてしまった。バーベナ,ノコギリソウ,繁殖力の強いこれらも今を盛りと咲いている。黒種草(ニゲラ)は,一時庭中に種がこぼれて広がっていたが,自然に減ってきて,それでもあちこち残って咲いている。「アガパンサスも株分けをしたのが蕾をつけた」と妻が言う。
 少し陰の部分には,ホタルブクロが群がって咲いている。赤みを帯びた袋状の花は,「子どもたちが捕らえたホタルを入れて持ちかえった」というのだが,その雰囲気がこの花そのもののような気がする。

 ジャガイモとタマネギが取り入れの時期になった。少し植えてあるだけだが,掘り上げたばかりの野菜が食べられるのがいい。
 夏野菜も食べられるようになってきた。スナックエンドウは夏野菜とは言えないかもしれないが,昨年暮に忘れていて,2月ごろに蒔いたものだった。それでもちゃんと育ってこの間からとれ出した。二人で食べるのだから,ほんの少しあればテーブルの一品になる。
 キュウリも5本ばかり植えたが順調に育って,「初なりだよ」と持ってきたのを病院で食べたものだった。エンドウもキュウリもネットで這い上がるようにしているので,その仕事がたいへんだったと妻は言っていた。

 一本の葡萄は,もともと鑑賞用の鉢物でたいして実をつけないのだが,それでも5・6房は食べられる。毎年「素朴な味がする」と妻の評価をもらいながら,だいぶ枝を伸ばしてきた。今年も間もなく花が咲き実をつけるようになるだろう。
 去年あたりからイチヂクが食べられるようになった。2本あるうちの1本は市販のもの,一本はもらい物の苗木である。土地が合わないのかなかなか実をつけなかったが,植え替えをしてようやく実を結ぶようになった。 
                    (2002.6.1)