そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.420  ベトナム(ハノイ近郊)春紀行3

 ウグイツキのルーツ  
  ここで私たちの予定を示しておきたい。
 この旅行は旅行業者の主催によるものである。タイトルは「ハノイの休日6日間」。「2名以上催行」ということなので申し込んだら見事2名の参加だったようだ。何でこんないい企画に誰も参加しないの。
 業者の計画では次のようになっていた。
3月3日(木) 関西空港発 ハノイ着
3月4日(金) ハロン湾クルーズ
3月5(土)・6日(日) 自由行動
3月7日(月) バッチャン観光 ハノイ市内観光 水上人形劇観劇 ハノイ発
3月8日(火) 関西空港着

 業者の計画は2日間だけなので、5日、6日の自由行動の日をいかに充実させるかで、今回の旅行の成否が決まるといってもよかろう。私たちは少数民族の村と、民俗学博物館など市内観光のコースに入っていないものを希望した。
ハロン湾は、ハノイから車で3時間ほどのところにある。広く言えば南シナ海の一部、トンキン湾のハノイよりの湾岸である。ベトナムで自然を対象にした世界遺産はここだけである。
 9時、ホテル出発。予想していたよりもずいぶん寒い。どうも今回の服装対策は失敗したようだ。いよいよになれば何か寒さ対策のものを買い求めなければなるまい。

 途中「福祉お土産センター」で休憩。ここでは障害のある人が作業をしているらしい。刺繍を製作しているところを見て、作品を見て回る。彼等・彼女等の作ったものは即売である。
「あっ。」
 驚いた。逢坂・大堤の「ウグイツキ」が刺繍されているではないか(写真)。この漁法については亀井武蔵守が朱印船貿易で取り入れたといういわれがある。これが東南アジアのものだということは、いろいろな文書で読んでいたが、これではっきりした感じであった。ガイドのトンさんに大堤の行事について話すと、
「こちらではいつでもしていますよ。」
という返事。この漁法については、最終日に見た水上人形劇でも表現されていて、この地方では一般的に行われていることが明らかになった。

亀井武蔵守との関係はいまひとつ不明だが、小さな発見ができたようだ。