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「学校統合により閉校式を挙行いたしますので、ご多忙中恐縮ではございますが、ご臨席の栄を賜りますよう」との案内が来たのは2月のことだった。桜小学校は私が校長として初めて勤めた学校である。ちょうど逢坂小学校の卒業式と重なっているが、閉校式の方に行かねばなるまい。 桜小学校は東郷町(現湯梨浜町)松崎にある。昭和31年舎人小学校と松崎小学校が統合してできた学校である。「さくら学校誌」という創立30周年記念誌にその当時のことがいろいろ書かれている。東郷池のすぐそばの松崎城があったという高台を自衛隊のブルドーザーで広げて校地を造り、当時としては珍しい鉄筋コンクリートの3階建ての校舎を建てたのだった。3階建てというが実際にはその上に物置やちょっとした部屋があって、私は「4階建てですよ」と言っていたものだ。 桜小学校には名前にふさわしく150本の桜が校地を取り囲んでいる。しかし、これは昭和41年度に50本の植樹をしたのを最初に、その後次々と植えられたものである。つまり、名前があってそれに環境をあわせたものなのだ。名前は町民から公募してつけたものである。全国には「桜小学校」が何校もあるらしい。そんな書類も校長室のどこかにあったように思う。 10年毎の記念行事を欠かさず行ってきていた。それだけ学校に対する住民の思いが強いということか。私の勤めたのが40年目にあたるということで、ちょっとたいへんだった。飼育小屋や池の改修をしたりトーテムポールを作ったりしたものだ。 来賓がどんどん入ってきて、5・60人にもなっただろうか。保護者席よりもはるかに多い来賓の数だった。それだけこの学校の振興に関わった人があるということだろう。 私が勤務した学校は38年間に9校。そのうち4校が統合で消えたことになる。 |