そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.430  また春が来て

 年度末である。現職のころは忙しかった。文書の整理もあり、人事異動の発表もあった。もちろん新年度の準備もしなければならなかった。校内の事務分掌、担任など考えることは多かった。職員の希望や子どもたちの気持ちも考えながら、それでもみんな100%満足の校内人事は難しいものだった。

そんな煩わしいことから離れて久しい。
しかし、『新町誌』は離れられない。年度末で何とか全体の編集にかかるところまで持っていきたかったが、原稿の見通しのつかないものも若干あり、もう1年はやむを得まい。鳥取市は、そんな事情を見越してか、発行を1年延ばすという予算を示してきた。現行のまとまり具合はさておいて、編纂委員会の意見は必ずしもそれに賛成しない。早く手を放したいという気持ちが強いからだ。

全体を見ることができる私から見て、80パーセント以上の原稿は集まっていると思うが、それはまだ不十分なものであって、委員の何人かの目を通さなければならないと思う。専門家の目を通せば、さらに多くの指摘がなされるであろう。
ここに集まる委員というのは、それぞれの分野については十分な知識があって、だから委員に選ばれているのだが、ちょっと融通がきかない。私にはなぜかそれが見えてしまって、これからどうなるのか心配したりする。

2年前に県教育センター図書室の資料整理にかかっていたときのことを思い出す。あれは完全に私一人に任されて、すべての整理をして、意見書を所長に出して終わった。
しかし、そのあとの資料整理は守られているかどうかは私にはわからない。多分できていないだろう。多くの図書資料を持つ図書室なのだから、図書館職員がいなければ管理ができないことは県にはわかっていなければならないはずだが、いまだに配置されていないという。
そして、新鳥取市も何をしてもお役所仕事、無駄なところにお金を使っているのか「金がない」の一点張り。「紙がない」「切手代がない」などなど。いったい私たちが納めている税金をどこに使っているというのだ。

今日から4月。3月終わりごろまで雪が降って寒い日が続いた。桜の開花は去年よりずっと遅れそうだ。でも、野にも山にも春が見えている。オオイヌノフグリは一面に咲いているし(写真)、キブシもシュンランもムスカリも、春の花が競ってあちらこちらに自分を主張している。