そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.443  サクラソウ

葡萄酒の色にさきけり桜草  永井荷風
前回我が家のサクラソウが咲いたと書いた。ここでいうサクラソウは、プリムラ類(セイヨウサクラソウ)のことではない。ニホンサクラソウのことである。最近ではプリムラのほうが多く作られていて、あちこちに飾られているのを見かける。サクラソウ=プリムラと思っている人も多い。

今朝「とっとり県政だより・2005D」を見ていたら、「サクラソウを絶滅の危機から救え」という記事が出ていた。
〜〜鳥取県や環境省の絶滅危惧種に指定されているサクラソウ。園芸種のセイヨウサクラソウはよく目にしますが、自生するニホンサクラソウは、県内でも日野郡などの一部でしか確認されていない希少野生植物です。//【サクラソウ】サクラソウ科/4月から5月にかけて薄いピンクの花を咲かせます。生育環境の悪化や愛好家による採取などにより絶滅の危機に。現在、県の絶滅危惧T類に、そして環境省のU類に指定されています。〜〜
とある。

 我が家のサクラソウは自生のものを採取してきたものではない。通信販売で種苗店から買い求めたものである。ピンク5株、白5株であった。2・3年はほんの少ししか花が咲かなくて、花が終わり、葉も枯れてなくなり、これはもうだめなのかなと思いながらも、水をやって世話を続けていた。
 今年は、冬の終わりごろいっせいに芽を出してきた。そして、まずピンクの花が咲き出したところである。プリムラほどには派手でない。しかし、桜草の名にふさわしい、しっとりと味わいのある花だ。
園芸の本で調べてみると、暑さと乾燥に弱くなかなか手間がかかるという。しかし、性質を理解していれば育てにくいものではないという。

 また、伝統的な咲かせ方があって、これまた難しいのだそうだ。花芽の選び方、植えつけ方、乾燥させないこと、虫の害などクリアーしなければならないことが多いらしい。
「非常に経験をつんだ人でも、10鉢が10鉢、100鉢が100鉢すべてうまくできることはありません。いろいろ工夫、研究することによって、自然に上手に育てるこつを体得していくものです。(NHK趣味の園芸・鉢花・草花)」
 今年はたくさん咲かせるところまでできたようだから、今度はその伝統的な咲かせ方に挑戦してみようか。