そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.457  初夏の花々2

 イチゴが「花を贈る事典366日」(西良祐著)に載っているのは不思議な気がする。野菜か果物かに入れるほうがいいじゃないかな。苗を植えつけるときに、黒いビニールシートで畝を覆ってマルチングをして、病気を防ぎ、雑草が生えないようにし、さらに、実が汚れないようにしている。それでもナメクジなどが寄り付いてくることがある。
 5月の中ごろから実が熟れだして、今年は雨が少ないためちょっと小ぶりだったが、それでも何度も収穫して食べた。
 花言葉は「誘惑、甘い香り」。なるほど。

 オダマキ。別名イトクリソウ(糸繰草)というのだそうだ。どちらもこの花の形が機織の際に用いるおだまき(糸巻)に似ているところからつけられた名前だという。漢字では「苧環」、パソコンではこれが出てくる。キンポウゲ科の多年草。花言葉は紫の花には「断固として勝つ」、赤い花には「心配して震えている」。ライオンがオダマキの葉を食べるので、非常に力強いと信じられていたのだそうだ(上述「花を贈る事典」)。

 ホタルブクロが咲き始めた。梅雨のころから咲き出すので「雨降り花」とか、花の形からツリガネソウ(釣鐘草)と呼んだりする。ヨーロッパでも人気のある花だそうで、神話にも登場してくる。
昔西のほうの国にカンパニュールという娘がいた。彼女はとてもまじめだったので、神様に信用され、金のりんごの見張り番をすることになった。ある夜のこと無法者が侵入したので、銀鈴を振って番人のドラゴンに知らせようとした。これに気づいた無法者は彼女を殺して逃げた。娘の死を知った神様、とりわけ花の女神フローラは、彼女の死を悼み生前の中世と徳を称えて一つの花にしてやり、カンパニュールの名を与えた。
花言葉「忠実、正義」。

 ラベンダー。ヒロハラワンデルという和名があるそうだが、聞いたこともなかった。学名はラウァンドゥラ属アングスティフォリア種。この属名からラベンダーと呼ばれている。古代ギリシアやローマの人たちは、このよい香りの葉を用いた風呂で疲れをとり、関節の治療に使ったりした。ただし、この植物が茂っているとこるには蛇が巣をつくるとも信じられていて、冠や花輪には使わなかったともいう。花言葉は「疑惑、不信任」。

 とまあ、こうして書き上げるときりがない。取り上げられなかった花の名前を上げておこう(花言葉)。アスチルベ(恋の訪れ)、アヤメ(よき便り)、ゼラニューム(決心、安楽、追憶)、ライラック(愛の最初の感情)。 
花言葉の分からないものもたくさんある。ガザニア、ナデシコ、バーベナ、ミヤコワスレ、ランタナ(写真)などなど。アジサイももうすぐ咲く。