そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.464  キュウリのつるには

  梅雨入りしたと思ったらそのあとの猛暑で、6月はほとんど雨がなかった。「これは6月少雨の新記録だろう」と思っていたら、29日になって土砂降りの雨。7月に入って雨続きである。
「どういう天気なの。」
と、妻が言うから、
「天気はどこかでもとをとっているんだろう。」
と私は答える。今年は冬が長引いてしかも大雪だったから、その分のしわ寄せが来ているのではないかという意味なのだが、本当かどうかは知らない。

 6月の猛暑には、人間が参っただけではない。作り物がたいへんだった。わずかな畑でも小さな花壇でも、毎日水やりをしなければならない。ホースと如雨露を使って毎朝やらねばならなかった。それでも家の側だからいいほうかもしれない。浜に畑を作っているところなど毎日水を運んでやっているという。近くの小学校では、サツマイモを植えたあとの水やりに、子どもが毎日学校と畑を往復している姿が目についた。

 我が家の畑に作っている夏野菜は、ナス、キュウリ、トマト、オクラ、ゴーヤ、ピーマンである。あまるほど作っても困るので、いずれもわずかずつ種苗店で買った苗を植える。順調に育ったがやはり水不足がたたったようだ。あまりいい出来とはいえないが、それでも少しずつ収穫できるようになった。(写真は色づいたミニトマト)

 キュウリが変である。ネットをしてキュウリがぶら下がるようにしてやっていたのだが、つるがのびだしたころからどうも変だと気がついた。ネットにつかまろうとしないのだ。茎をネットに結び付けてやっても地面に下りようとする。
「これ、地這いキュウリかな。」
と言っていたが、それでも実がなりだして何本か味を見ることができた。

 しかし変だ。と思っているうちに妻が見つけた。
「なにこれ、カボチャの花じゃない。」
 キュウリの苗を作るのにカボチャに接いでいるらしい。元のカボチャのほうが芽を出して、元気よく育ってしまったというわけだ。これってインチキじゃないの。妻はカボチャの部分を全部切り取って、種苗店に持って行った。といっても代わりにキュウリを何本かもらってきたわけでもないけど。きゅうりのつるにはナスはならないが、カボチャはなるという話。