そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.475  ウミホタル(自然観察夏の旅5)

鷲ヶ峰登山を終えて宿に帰って,夕食までにもう一つ予定があった。釣りである。宿の裏はすぐ海になっていて,港の突堤が突き出している。そこでみんなで釣りを楽しもうというのだった。私は二十数年前に浜村海岸でキス釣りを何度かしたことはあるが,それ以来竿を持ったことが一度もない。
少し釣りに慣れた人も会員の中に入るので,手ほどきを受けながら糸をたれる。

水はきれいで底まで見通せる。餌はエビ。あっという間もなくとられてしまった。何度餌を付け替えてもとられる。まわりからは「釣れた,釣れた。」の声が上がる。
「よし,上から見ていて餌を食ったところを上げてやろう」作戦が功を奏して,一匹引っ掛けることができた。次々と釣れだしたようで,終わって数えてみるとみんなで52匹を釣り上げていた。そのうち私は4匹。
 夕食にその中から料理にできそうなのを塩焼きにして出してくれた。

 夕食が終わって,ウミホタルの観察に出かける。近くの海岸で観察できるという。
〜風待ち海道エコツーリズム大学講座 自然環境学科海洋講座第1回(講師:幸塚久則)よりウミホタルの分類 標準和名=ウミホタル  学名=Vargula hilgendorfii
          節足動物門・介形虫亜綱・ミオドコーパ目・ウミホタル科
 日本に生息し,発光するウミホタルノ仲間は上記のウミホタルの他にトガリウミホタルCypridina dentataが生息します。トガリはプランクトン生活をします。(以下略)〜〜

 暗くなった海をよく見ると,確かに幽かに断続的に,ボーッと青く光るものが見える。しかし,これはとてもカメラに収めることはできない。と思っていたら,ビーカーに集めてその発光を見せるという。デジタルカメラではなかなかうまく撮影できないということで,何とかその光をとらえようとみんなの関心が集中する。そんな中で何とか撮影できたのがこの一枚である。
 
2001年8月「マレー半島の旅」で,マレーシア・セランゴール川のホタル見物をしたときのことを私は思い出していた。あれは川の昆虫のホタルなので,今回のものとは全く違うけれど,乱舞する蛍を写真に収めることがどうしてもできなかった,という記憶がある。

幽かな光は美しい。それは現実のものと異なっているという感じで,何か不思議な表情を私たちに見せてくれているようだ。