そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.485  鴨ヶが磯の海は温かい

 8月の自然観察は,普段の月(第2土曜日)より1週間遅れて行われた。場所は岩美町の鴨ヶ磯。7月に予定していたのだが,天候が悪く1か月延びていた。「城原海岸駐車場13時30分集合」となっているが場所の詳細も所要時間も分からない。インターネットの地図で何とか見当をつけて12時30分出発。岩美駅から浦富の方向に走って,西へ進路を取る。狭い上り下りのある道を過ぎて13時20分に駐車場に着いた。(もっと楽な道があることが後で分った)

 そこから歩いて海岸に向かう。藪の中のような道を抜けると鴨ヶ磯に出た。今日は海岸付近の動植物の観察である。
 途中,センニンソウ(これはよく見かける),ナミキソウ(浪来草・準絶滅危惧種)を観察し,岩の高いところにはキキョウが咲いている。浜にはハマゴウも観察できた。

 さて採集。「少しは海に入れるような準備をしてくるように」ということであったが,先日の隠岐の島では,海に入っていて写真が撮れなかったので,今日はひざぐらいの深さまで入り岩にくっついている貝などを採集した。それでも結構な数の貝などを採ることができた。
もう8月も下旬に入って,少し波があるが海水は温かい。土曜日だが夏休みも最終段階。宿題に終われる子どもも多いのか海水浴客はそれほど多くない。でも,少し沖を通る観光遊覧船はたくさんの観光客が見えた。

 3・40分採集したものを集めて一つ一つ見ながら清末先生の説明を聞いた後,貝と海藻を鍋でしょうゆ味の汁にして試食。さらに食べる前には見つからなかったものについて話を聞く。
 たくさんの貝がある。カサガイ(笠に似ている),クマノコガイ,クボガイ,バテイラ(馬蹄螺)。ヨメガサラガイ(嫁が皿)・この名前は,嫁にはそんなに食べさせなくてもこのくらいの皿でいい,というところから付いたという。アオガイ・名前の通り内側がきれいな青色である。そのほかイボニシ,マツバガイ,ウミニナなど。

 たくさんの海藻もある。ウツロムカデ・おいしい。アミジグサ,マメダワラ・これは隠岐の島でも観察した。ノコギリモク・葉がのこぎりのようになっている。だいたい形からつけられた名前が多い。また,食べておいしいかどうか。
「『ノリメ食ってもモク食うな』といいます。ノリとメのつく海藻はおいしいが,モクのつくものはおいしくない,ということです。」
 なるほどまた一つ利巧になった。
 あっ,忘れていた。汁の味は,貝や海藻の味がいっぱいで,濃い磯の味がしてとてもおいしかった。