そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.486  絶滅危惧種

 8月の自然観察でナミキソウの観察をし,「これは準絶滅危惧種です」という説明を聞いた。図書館で調べてみる。以前に『レッドデータブックとっとり』を調べたことがあったので,これを見れば分かると見当をつけていた。これは鳥取県が,絶滅のおそれのある希少な野生動植物の保護とその生息・生育する自然生態系の保全を図るための基礎資料として,また,地域の自然への関心と理解を深めるための参考資料として,平成14年に刊行したものである。「植物編」「動物編」の2冊になっている。

 とりあえず「植物編」を借りてどんなものが保護対象の植物になっているか調べてみる。すでに絶滅したと考えられるものが8種あげられている。また,絶滅の惧れがあるものを危険性の高いものを絶滅危惧T類84種,それに次ぐものとして絶滅危惧U類116種,準絶滅危惧109種,保護上重要な種13種があげられている。
 我が家にも該当するものが何種類かあるに違いない(ただし,我が家のものは園芸品店で買ったものが多いから,いわゆる園芸品種がほとんどと思われる)。

 まず,サクラソウ(サクラソウ科)・絶滅危惧T類。これはこのページでも以前に取り上げた。鉢植えにして育てている。園芸品店で買ったもの。最近になってずいぶんよく咲くようになった。
 ハマナス(バラ科)・絶滅危惧U類。これはどこかの家の庭にあるものを分けてもらった。よく咲いていたのだが,今年はちょっと元気がない。
 トウテイラン(ゴマノハグサ科)・絶滅危惧U類。ちょうど今の時期咲いている。これももらい物。漢字で書くと「洞庭藍」。中国四川省の洞庭湖の水の色からきているという。ランは「蘭」ではない。鉢でも路地でもよく育ち増える。
 キキョウ(キキョウ科)・絶滅危惧U類。キキョウまで入っているとは知らなかった。そういえば先日の鴨ヶ磯では,崖にしがみつくようにして咲いていた。我が家のものにはピンクのものもあるから,たぶん園芸品店で購入したもの。いつ買ったのか忘れてしまった。株の位置が少しずつ移動しながら毎年よく咲く(写真)。
 フウラン(ラン科)・絶滅危惧U類。これはこの間隠岐の島で買って帰った。買ったときにはよく咲いていたが,今は散ってしまっている。たぶん環境が変わったので,花を落として慣れようと努力しているところだろう。涼しい日陰において慣れるのを待つ。
 シノブ(シノブ科)・準絶滅危惧。和名は耐性が強いことを意味しているという(忍ぶ)。「園芸用に乱獲の対象となる」とある。我が家でもずっと以前からシノブ玉にして楽しんでいる。涼しげでいいものである。
 ムサシアブミ(サトイモ科) ・準絶滅危惧。これについても以前このページで取り上げて書い。5月ごろに咲いて,今は樹陰で夏を過ごしている。

 ちょっと調べただけで,これだけのものが我が家にもあることが分かった。もらい物であろうと園芸品種であろうと,こうして我が家で育っている植物たちである。大事にしてやらなければならない。