そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.505  連日司会に草臥れて

  同窓会のことについてはすでに書いた。気の知れた仲間内の中での司会だから,少々の失敗は許されるし,適当に冗談も交えられる。ゆとりを持ってしゃべることができる。
 翌日急に入ってきたのは近所の葬儀だった。区長さんから電話で,「司会役をしてほしい」という。「同窓会で昼過ぎでないと帰れませんが」といったん断ったが,「そこをなんとか」というので断りきれなくなった。一昨年・昨年と役員をしていて,何度かその役をしていた。

 最近は葬儀屋が一手に引き受けてやっていて,地区や近所は少しだけお手伝いをすればよい,あるいは何もしなくてもよい。ところが当地にはまだ,地区で葬儀をする,という風習が残っている。葬儀委員長は区長,3名の葬儀委員があって,役員は全体に関わることの手伝い,細かいところは近所で当たる。私に司会の役が回ってくることが多かった。
 葬儀のやり方は土地によって異なり,宗教によってちがう,ということは誰でも知っていることだ。同じ宗教でも宗派によってちがっているし,同じ仏教の宗派でも寺によって少しずつちがう。

 今回のは神道による葬儀だった。一昨年同じ神社のものが一度あって私が司会をしたのを覚えていたらしい。
 同窓会の2日目をキャンセルして帰り,区長さんや喪主や神官と打ち合わせ。万全を期したつもりだが,直前に変更があってメモ用紙が加わる。さらに本番は座るところがなくて,1時間ばかりの立ったままの進行役にいささか緊張,くたびれる。

 13・14日には中国地区学校図書館協議会の研究大会が倉吉で開かれた。私は現職の時には県の会長をしていたが,現在はほとんど関係がない。しかし,全国学校図書館協議会の図書館活動推進委員を3年前からしている。倉吉大会がある機会に西部地区の委員会を開いてほしいという要請が来ていた。西部地区大会というのは,鳥取以西の地域,中国・四国・九州の各地区のことである。ただし,委員は10名しかいない。

 会場が研究大会の全体会場の未来中心に取れて,案内文書を出し,人数をまとめて研究大会本部に連絡する(と一言で書いたが,そんなに簡単なものではない)。
 ここでも私は地元委員ということで司会役。参加者は6名,山口,香川,愛媛,高知,福岡と鳥取の私であった。会場を使えるのは2時間ということであったが,研究大会2日目の準備のため,早めにしまってほしいという。
 参加は少数だが,いずれも学校図書館,公共図書館に長く関わってきた人たちばかり。いったん話し出すとどんどん出てくる。時間ぎりぎりまで意見が出て,議論途中みたいだったが閉会を宣言しなければならなかった。こうなると司会は気が気でない。
「申し訳ありません」で会を閉じた。

 自分の会が終わってほっとしたためか,研究大会の2日目の講演は面白く聞いた。当初予定されていた講師が急病で入院したため,ピンチヒッターをお願いしたらしい。(写真)
 全体会の司会の先生は緊張気味で講師紹介も十分でなかったと思うが,その気持ち分かる分かる。