そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.525  トルコ・エジプト悠久の旅14

博物館・教会
 この旅もいよいよ後半というより終盤を迎えたといっていいかもしれない。カイロ5泊,トルコ5泊というけれど,トルコでの移動はものすごいものであった。1日200〜500q,トルコの東部から中部にかけて走り回ったのである。それにくらべるとエジプトでは多くて1日60km,カイロ周辺のみの観光である。前川さんの説明によると,「昨年は後半の日程を詰めすぎてダウンする人が多く、その反省から後半を楽にした」というのであるが。

 さて,帰ってきたカイロの観光は,エジプト考古学博物館から始まった。昨日のトルコの嵐も過ぎ去って(いや,カイロでは関係のない話),カイロの朝はきれいに晴れていた。日は当たっているが,外気は涼しいくらいである。昨夜のホテルは寒いくらいに感じるので,少し温度を上げようかとエアコンの調節を試みたのだが,いうことを聞いてくれない。しようがないので,スイッチを切って眠った。翌日他の人も同じことを言っていたから,多分カイロでは暖房は入らないようになっているのではないか。つまり必要ないということ。でも,そのために風邪をひいたようだ(原因はそればかりではない。乾燥もあるし,風呂の湯が出たり,出なかったりで水風呂にはいってしまったということもあった)。

 朝8時30分ホテル出発。ガイドのアリさんのほかに「セキュリティの人」が乗り込んでいる。この人一体なんだろう。9時前には博物館到着。開館前の博物館前には大勢の人が集まっていた。ここではカメラ撮影禁止。前庭まではよいが,館内はだめという。2回のセキュリティがあり,2回目で持ち込みが判るとカメラ没収になるという。事前に預ける。
 10万点を超えるエジプト古代文明の出土品を展示している世界的にも有名な博物館である。ツタンカーメンの黄金のマスクや秘宝の数多くが展示されている。
 40年も前になるだろうか。京都でツタンカーメン展があったとき,この黄金の仮面を見た。ロンドンの大英博物館でもエジプトの古代文明の出土品を見た。ここ本場では欧米人が多いが,世界各国の人で博物館はにぎわっている。
 1階は王朝別,2階は種類別に展示されている。部屋数は100以上。アリさんが一応ざっと説明しながら案内して自由見学となる。ツタンカーメン展やロンドンの大英博物館で見たのと同じようなものもあるが,時代感覚が明確でない私には,どれがなにやら訳がわからなくなってしまいそうだ。エジプト5000年の歴史は長い。
 トイレに順番待ちの列ができている。それでも男子の方はスイスイと進めたが,女子の方はそうは行かなかったらしい。長蛇の列になっている。改善しなくてはならないと思うが。
 ミイラ室の見学を私たちはやめて,それでも約2時間の見学のあと外に出ると,日はかなり高くなって強い日差しが照りつけていた。しかし,長袖のシャツを着ていても暑さはそれほどには感じない。湿度が低いためだろう。
 そのあと,金細工の店へ。なぜ金細工なの。黄金のマスクが出たからって,わざわざ黄金を売らなくてもよさそうなものだ。