そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.526  トルコ・エジプト悠久の旅15
ハト料理
「昼食はハト料理をどうぞ」と日程表に書いてある。ガイドブックにも「観光客に人気ある料理」とあるので,食べられないことはなかろう。ハトはもちろん鳩である。日本では普通には食べる習慣はないが,ところによってさまざまだ。
『地球の歩き方 エジプト』によると,「ハト,スズメ,ウズラ,ウサギ,ラクダなど豊かな食肉文化のエジプト料理。肉料理→サラダ→スープという『三角食べ』をすれば,ピラミッドパワーが付く」なんて書いてあるがどうか。ナイル川に浮かぶ水上レストランではとの焼肉(骨付き)を手づかみで食べる。かなり癖のある香辛料が使ってあるが,まあ食べられないことはない。妻は香辛料のにおいが鼻につくという。もっとも妻の香辛料に対する好き嫌いは相当のものだから,しょうがないか。グループの人たちの表情を見ても,あまりうまそうに食べている人は見えない。珍しさを食べているという感じだ。(写真・食事を終えて ちょっと元気がないですなあ)
 午後はオールドカイロ観光という。
 オールドカイロ,カイロ発祥の地,イスラム教が入ってくるよりも早くキリスト教,ユダヤ教がエジプトに入り,人々にその信仰が広まった。ここでは3つの教会を見てまわる。教会に行く途中通りにはたくさんの売り子がいる。「売り子」といってもそのほとんどが大人の男性である。そういえばホテルで働いているのも男性だった。女性はどこで何をしているのだろう。
「買う気があればもちろん買ってもいいのですが,その気がなければ初めから断ってください。売っているものの大部分はいい加減なものですから。」前川さんは再三言っているようだが,中には買っている人もある。
「ユーアボールペン?」突然私の近くにいたエジプト人から話しかけられた。私が手にしていたボールペンを指差してである。(ここに書いている英語は私の耳に聞こえたものなので,正しくないかもしれない)
「イエス」と答えると,「アイウオント ジスポールペン」と言う。
「だめだよ。これ1本しか持ってきてないもの」と独り言を言って「ノー」と答える。その次の日にもホテルの前でも同じような場面を経験した。後日『地球の歩き方』を見ると,エジプトではよくあることらしい。エジプトのボールペンは質が悪く使えないことも多い。日本の製品はよいのでエジプト人がほしがるのだという。
 シナゴーグ教会。8世紀に建てられた教会である。その建物は19世紀に改修・増築が行われたのであるが,そのとき地下から何万点にも及ぶ文書が発見された。9世紀から19世紀の社会を知る貴重なものである。
 エル・ムアラッカ教会。聖母マリアにささげられたコプト教会の主要な聖堂部分は7世紀ごろに完成したとされるが,9世紀には壊され,その後,債権,改築が繰り返された。創建時の遺構は南東部分にのみ残る。
 聖ジョージ教会。現在は教会として使われているが,修道院として建てられた。イエスの家族が難を逃れるためにエジプトに渡った。その一行が身を寄せるために建てられたと伝えられている。
 同じような教会を見てまわって訳がわからなくなった(従って,この部分『週間世界遺産28イスラム都市カイロ』を参考にした)。ホテルに帰って夕食まで一休み。