まだ雪は完全には融けない(写真・1月12日撮影)。近年珍しいことだ。北陸地方では,4mもの積雪でたいへんなことだろう。私は1m50cmくらいの雪は学校に勤め始めたころ(昭和39年)の分校で経験したが,4mというのはない。
「スコップくらい積もったら屋根の雪下ろしをしたほうがええですで」などと聞いた覚えがある。分校の屋根の雪下ろしは保護者が中心になってやってくれた。
民家は雪囲いをして冬に備えた。積もった雪や屋根からの雪が家を圧迫するのを防ぐためだと聞いた。道の雪は川に流すことができれば一番いいのだが,それができないところは横に高い壁を作った。かんじきを履いて歩いたり,本校からの帰りが遅くなって村の人が心配して迎えに来てもらったこともあった。
その後昭和58年ごろにかなりの積雪があった。我が家の子どもたちが鎌倉を作って遊んでいる写真が残っている。90pくらい積もったと記憶している。
それ以来大雪というほどの雪はない。「暖冬」現象に慣れてしまって,このたびのように雪の日が続くとたいへんだ。雪かきについては先日書いたのでここでは省く。
生活必需品の値上げがかなりのものになっている。
野菜が雪の下になっているので,品不足になっているのだ。我が家の小さな畑も掘り出せない日が何日も続いた。二人の食べる量はしれているからそんなに家庭経済に響くほどではないが,家族の多い家は大変かもしれない。近所に生産者直売の野菜などの市(店)ができて,生産者が公開され,新鮮ということからそこで買うようにしているが,正月と重なって品薄高値となっている,と妻は言う。
灯油の値上げが大きい。これも近くのホームセンターが一昨年から灯油の販売を始めた。市価よりもずっと安い値段だったのでそこで買うことにしていたのだが,去年の原油値上げに伴って値段が市価に近いところまで上がり,さらに去年11月には一挙に1リットル10円も上がった。10円といえばエジプトではガソリン1リットル買える。我が家で1か月に使う灯油の量は80リットルくらいだから,去年より1500円以上の出費増ということになる。
雪だけでなく,他の要素も加わって次第に暮らしにくくなっているようだ。
雪といえば歌の中では「枯木残らず花が咲く(『雪』)」「あたたかき幸せのほほえみ(『雪の降る街を』)」と,美しさ,あたたかさを歌い上げたものが多いが,現実世界はなかなかどうして。今回の大雪は各地に大きな被害をもたらし,多くの犠牲者を出している。
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