そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.542  冬の花

 厳しい寒さと雪が多いのとで花が遅い。冬の花の定番サザンカは一人咲き誇っているが,いつもは12月終わりごろから咲き始めるプリムラも,やっと咲き出したところ。もっとも,海外旅行の2週間ばかり全く手をつけずに放っておいたので,成長が悪いためもあるようだが。さらに,今年は雪の心配がないときには外に置いたままにしているので,その影響もあるのかもしれない。

 スイセンは雪の下になって倒れてしまって,とても花が咲く状態ではない。それでも健気に1輪,2輪咲いている。非常に小さな種類のスイセンもあるはずだが,こちらはまだ姿が見えない。
 アセビが赤い新芽を伸ばし蕾がふくらんできている。こちらは順調に花を見せるだろう。

 俗に「冬知らず」と呼んでいるキンセンカに似た黄色い花が咲いている。この花は年中咲いていて,一時はよく増え庭にたくさん咲いていたが,何もしてやらなかったら自然に少なくなってきた。所々に見られるだけ。
 鉢植えのエリカが白い小さな花をつけている。10年以上も前に植えたものだと思うが,こんなに寒さに強いとは知らなかった。

 そうだ,雪が融けてフキノトウも顔を出したかもしれない。店にはもう並んでいるというではないか。いつもフキノトウを採る原っぱまで行ってみる。しかし,やっと雪が融けたばかりのその場所は,草が押しつぶされて積み重なって,とてもフキノトウが顔を出すような状況ではなかった。枯れ草の間からタンポポが二つ三つ咲いていた。帰りに見上げる山にはツバキが赤い花を見せている。今年の春はまだ先だ。

 家の中にはそれでも花が見える。小さなサンルームを覗いてみる。
シコンノボタンが紫の花を見せ続けている。秋には外で咲いていたが中に入ってちょうど気温が合うらしい。そんなに大きな株ではないが花の時期が長い。
「チロリアンランプ」と呼んでいるアブチロンは,本当にランプのような赤い花弁が特徴的だが,これは厳寒期は蕾をつけない。今咲いているアブチロンは「カラフルハーモニー」と名前が付いているピンクのもの。枝の先に1つずつ蕾をつけ,順番に咲く。
 少し温度を上げてやると花を見せるのがハゴロモジャスミン。小さくとがった蕾をつけている。白い花びらの衣をもうすぐ見せるだろう。「ジャスミンの香り」というくらいで,いい匂いをあたりに広げながら。