そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.549  節分・立春

 2月3日は節分。例年通り豆まきをする。テレビでは,どこそこのお寺の豆まきでは大相撲の誰が来たとか,プロ野球の有名選手が豆まきをしたとか言っているが,我が家の豆まきはたった二人でやるのだから実にシンプルなものだ。鬼も福も決めないで(決めなくてもわかっているからかな),家の出入り口,窓を開けて,「鬼は外」と豆を蒔くだけだ。

 そんな予定で,朝食をとっているとテレビで北海道のどこかの幼稚園の豆まきを放映していた。幼稚園らしくみんなで歌を歌っている。
 〜〜 鬼はそと福はうち パラパラパラパラ豆のおと 鬼はこっそりにげていく
     鬼はそと福はうち パラパラパラパラ豆のおと 早くおはいり福の神
「これを作曲したのは宝木の小泉先生だ。」
と,私が言うと,
「へえ,そうなの。」
と,妻は驚いている。

 これは事実で,同じ町内だが東隣の大きな宝木集落に住んでおられた小泉恵先生の作曲(作詞者不詳)によるものである。この先生には,大学時代音楽を習ったので,私にとっては間違いなく「先生」なのである。私のへたくそなピアノに単位をくださって,ステージで合唱もさせてくださった。
 たまたま「新気高町誌」の編纂に加わって,気高町で取り上げる人物の一人に上がっていることを知った。特に進んで手を上げたというのでもなかったが,私が先生について書くことになった。そんなわけで詳しく知ることができたのである。
 先生は昭和59年に亡くなられたが,その作品は北海道の子どもたちにも(ということは日本全国)歌われているんだ,とあらためて感心する。

 明けて4日は立春。何日か前から天気予報が「この冬一番の寒さになる」と言っていたが,確かに寒くなった。「一番」というほどではないが,2・3センチ降った雪が融けずに凍っている。本を返そうと図書館に行ってみると,土曜日というのに利用者は誰も居ない。
「開館以来の貸し出し冊数が今日か明日で10万冊になります。」
と,職員はそのときを待っているようだが,この寒さで少し(と言っても1・2時間のずれだろうが)遅れるかもしれない。
 福寿草がようやく咲き始めた。3つの蕾のうち2つが黄色い花を見せている。天気がよくなるにつれて競争で花を開くようになるだろう。そうすれば本物の春だ。