そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.550  汽車の歌

  勝見昭和会が近づいた。この会については以前にも書いたと思うので,繰り返さないが,さて今年は私たちの班では何をしようかと毎年頭を悩ませる。
 年始めの班会で,私が提案した。
「来年が浜村駅開業百年になります。先取りになりますが,みんなで汽車にちなんだ唱歌を歌ったらどうでしょう。」
「それはいい。」
「ついでといったらなんですが,この班には郷土史研究をしておられる浜田さんがおられますから,ちょっとだけこれについてお話をいただくというのもいいと思うんですが。」
「ほんとだなあ。」
というわけですんなり決まった。歌は図書館で調べて私が大体準備していた。一番だけ紹介する。

   汽車(明治45年の作品)
1今は山中 今は浜 今は鉄橋渡るぞと 思う間もなく トンネルの 闇を通って広野原

   汽車ポッポ(昭和13年「兵隊さんの汽車」という題で発表)
汽車 汽車 ポッポ ポッポ シュッポ シュッポ シュッポッポ
僕ら(兵隊さん)を乗せて シュッポ シュッポ シュッポッポ
スピード スピード 窓の外 畑も とぶ とぶ 家もとぶ
走れ 走れ 走れ 鉄橋だ 鉄橋だ 楽しいな

   汽車ぽっぽ(昭和2年)
お山の中行く汽車ぽっぽ ぽっぽ ぽっぽ 黒い煙を出し しゅしゅしゅしゅ
白い湯気噴いて 機関車と機関車が 前引き後押し なんだ坂こんな坂
なんださかこんな坂 トンネル鉄橋 ぽつぽ ぽっぽ トンネル鉄橋 しゅしゅしゅしゅ
トンネル鉄橋 トンネル鉄橋 トンネルトンネル とんとんとんと のぼり行く

 どれでもみんな知っているかと思ったら三つめの「汽車ぽっぽ」は知らない人が多い。一番リズミカルでいいと思うのに残念だが外すことにした。二つではちょっと淋しいから,「鉄道唱歌」を入れることにした。そのままではつまらないから,こちらの土地に合わせた替歌を作る。

   鉄道唱歌鳥取編    作詞 勝見八班
1 汽笛一声 鳥取を はや我が汽車は 離れたり
千代川を渡りゆく 音を旅路の友として
2 長者伝説 湖山池 大黒様と白うさぎ
  昔話をトンネルの 中にいっぱいはぐくんで
3 水尻 日光 水たたえ 面(おもて)に映す 村や町
  つばさ輝く 白鳥の 振り向く眼にも 里の夢
4 砂丘 鷲峰 ながめつつ はや浜村に着きにけり
  見よや姫石温泉に 村人集(つど)う 正和会

 あとは少しだけ練習をすれば何とかなるだろう。11日が楽しみ(?)なことだ。