そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.552  メディア講演会

 子ども読書推進委員会の活動をしている,ということはいつか書いたと思うが,今年の活動を私はほとんどしていない。今年の場合,学校を中心にした活動を考えたのだが,学校での活動となると平日に組まれることが多い。私の勤務が自分で自由に組めるといっても,平日だとどうしても制約を受けることになる。そういうわけで,これまで3回あった学校での講演会などには1回も出席できなかった。

 学校で行う最後の事業は,渡部万里子さんの浜村小学校での講演会だった。「子どもに学び・子どもと育つ」〜メディアとのかかわりの中で〜,とある。はて,渡部万里子さん,どんな人だったかな。最近の図書館,メディア関係の人がだんだん分からなくなってきているから,まず,気高図書館で聞いてみる。
「関係図書はありませんか。」
しばらく調べてもらったが,無いようである。インターネットで調べる。出てきた,出てきた。最近は大方の調べ物はインターネットでできるようになっている。これもメディアとの関わりか。

 この法人は,「子どもたちの体験活動や社会参画の機会の拡充を図るとともに,それを支える基盤作りをすすめていき,子ども自身や地域の関係団体の活動の支援,子どもに関する文化事業及び広報啓発活動を行い,子どもの豊かな成長に寄与することを目的とする」ための活動を行っているという。
 前置きが長くなった。「メディア(ここでは映像メディア)との接触時間が多くなった」という。テレビとの視聴時間に絞れば,私自身はそんなに増えていない。勤めの日はニュースくらいしか見ないし,休みの日もせいぜいドラマやドキュメンタリー一本を見る程度だ。しかし,パソコンは仕事にも使うし,調べる時にも使うし,こうしてホームページを更新する時にも使っている。メディアを広げて考えると確かに接触時間は増えているだろう。

 渡部さんの言うのは,我々のような大人のことではなく,子どもに関してのことだった。
2歳までの子どものテレビ視聴が発達に影響するというのである。ことばの遅れ,人間関係がうまくつくれない,脳の疲れ,生活リズムの乱れなど,今子どもたちに多くなってきた問題がテレビを見る(見させられる)時間が多いほど出現率が高い,というのだ。「科学的にはまだ証明されていませんが,統計的にははっきりといえます」。
 ではどうすればよいか。いくつかの提言をされてこの日の講演は終わった。小学生以下の子どもを持つ親がほとんどの会場だったから,考える人も多かったに違いない。この中の何人かでも真剣に受け止めて実行すればいいのだが。