空の山通信11

No.577  今年の祭り

  4月の第3日曜がこのあたりの祭り(勝見の薬師祭り)で,このページにも何度か書いた。今年は例年よりずっと早く16日が本祭りである。ここのところずっと天気が悪かったが,久しぶりに晴れた。我が家では去年から祭りの客をしていないので,二人だけの祭りである。そうは言っても少しはご馳走をすることにしよう。
 まず材料集めだ。という訳で朝から山菜採りに出かける。

 実は昨日の自然観察会で,「今年はコゴミがなかなか出ませんねえ」と私が言うと,清末先生から「この間鹿野の河内まで行ってコゴミを採ってきた」という話を聞いた。「えっ,出ていましたか。この間行った時にはなかったのですが」と私。「ちょうどいい頃だったで」と清末先生。(「わざわざ鳥取から採りに来られるんだ。地元のものが負けちゃあいられない」),と私は奮起した。

 いつもの場所に行ってみる。なるほど,先日はなかったのに確かにある。ただ,朝早くから人が入ったあとがあり,あまり多くの収穫は得られなかった。少し下に下りてみよう。
 最初のうちはそんなにないと思われたが,探し歩いていると,たくさんあるところに出合った。ワサビを袋に収穫していて,コゴミに土がついてしまいそうなので,ポケットに入れる。たちまちポケットがいっぱいになった。妻はフキも採っている。
「もうこのくらいにしよう」

「せっかく来たのだから,ワラビも見て帰ろう」
「まだ早かろう」
 いつものワラビ採りのコースを見てまわる。確かにまだまだ出ている雰囲気ではなかったが,「あれ,出ている」ほんの一握りほどだが収穫できた。
おそらく今週末くらいから本格的にシーズンを迎えるようになるだろう。

 山菜を手早く調理して,寿司と刺身を買ってきて,今年の我が家の祭り料理は出来上がり。もらい物の酒を一杯やりながらの昼飯となる。そろそろ屋台も出る頃になろう。今年は新町2区も屋台を造ったので,浜村の祭りが一段と賑やかになる(浜村の祭りは,勝見の祭りと浜村の祭りの二つが同じ日にしている。さらに近年になってできた住宅地の新町などが祭りに加わり,賑やかになってきている)。いい祭りになった。