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No.596  としょかん発見塾講演

「図書館フレンズけたか」という会がある。ひらづてに言えば気高図書館応援団。活動内容は,図書館の活性化のために,「自治体への働きかけ」をしたり,「勉強会」をしたり,「ボランティア活動」をするなどである。50人あまりの会員があり私もその一人である。
 年1回の総会にはできるだけ参加し,ボランティア活動も都合がつけば出る。年会費(500円)はきちんと納めている。しかし,月1回の例会には出席したことがない。年間5回開催されている「としょかん発見塾」という研修会にも年1度くらいしか参加しない。あまりまじめな会員ではない。その私に,今年度初めの「としょかん発見塾」での講演をお願いしたい,と中原会長から話があった。
 この話はこれまでにもなかったわけではないが,私があまり乗り気な顔を見せなかったので,遠慮してしまってそれっきりになっていた。
「校長先生時代の詩の暗誦などについての話を聞かせていただけたら」と言う注文つきである。そのことなら材料はかなり持っている。「いいでしょう」と引き受けることにした。
 
 しばらくして中原さんより電話。
「タイトルは何にしましょうか」「『心に言葉の種をまく』にしましょう」
 子どもたちに詩を暗誦させてきたのは平成7年,東郷町の桜小学校校長になった年からである。校長というのはある意味では孤独。受け持っている子どもがいない,授業はほとんどない,子どもに直接話し掛けるのは全校朝会などだけの限られた場面しかない。その辺りから話を始めることにした。

 校長の講話については以前にも書いたと思う。
〇 おもしろい話を わかりやすく子どもたちに
ということである。実際の例として次のものを準備した。
「握り仏」「兎に学ぶ」「絵本の面白さ」「隣の国」「円周率の話」
 私は自分が話してきた講話の主なものはフロッピーディスクに残しているので,こんなときには便利だ。全文は資料として参加者に配り,その話ができた経緯なども含めて話す。借り物でない話なので,そして,講演会当日の参加者(20人くらい)も聞き入っていた。

 次には詩の暗誦について。それを始めるようになったわけを話し,どんなやり方をしてきたか,どんな作品を選んだか,などについても話す。
 詩に親しむ子,詩で考える子,詩を味わう子を「暗誦という作業の中で自然に身につけていくこと」を7年間続けてきたことを,「実施作品一覧表(これも2年間分残していた)」,卒業生に送った「詩集(毎月の詩を一冊にまとめたアンソロジー)」を見てもらいながら話した。

 次に「最後の授業(平成14年3月)」の話をした。ここでは会場の参加者にも考えてもらおうと思っていたが,当時の担任のK先生のことを話しかけて,少し涙が出そうになって(K先生は一昨年亡くなった)途中で話を切り上げた。
 終わりに,どこに入れようか考えていた片山鳥取県知事の話の中から「読書の大切さのこと」,先日の観劇の「アラビアンナイト」の感想から,読み聞かせやお話の重要さを話して講演を終えた。後の質問などから考えて,まずまずよかったかなと自己評価した。