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案外流行っているらしい。我が家のトイレはそんなに広くもないので(いや,どこの家でもそんなに広いトイレはないだろうが),数点しか展示することが出来ない。 そう言えばこの間ラジオでエッセーを朗読していたが,その作者である詩人は,小さくてもいいから有名な画家の本物の作品を,家の中(トイレというわけではなかった)に飾っているのだそうだ。本物にふれることが子どもにとってどれほど大事なことか,ということを書いていた。 海外旅行をするときは,そこに行ったというしるしの物を一つは買って帰る。露店で売っている絵本だったり,帰りの空港でコインの後始末に買う絵だったりする。 フランスではノートルダム寺院の前で絵を買った。パリの街でよく見られる画家の卵たちが書いている土産物用の油絵だった。 そんな中から何枚かを選んでトイレの壁を飾る。「美術館」というほどではないが,私たちの「旅の思い出」というわけだ。そこに入る度にその旅行を思い出す。そして思う。「今度はどこに行こうかな」と。だから次の旅の出発点でもある。 |