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今年の梅雨はほぼ平年通りに入り,明けるようだ。天気予報も「この梅雨最後の大雨のおそれ」と言っている。 1993年の冷夏は記憶に新しいところだ。この年梅雨明けは「特定できず」,6〜8月の低温(8月の平均気温は平年値より−2.7℃),日照不足(8月の日照時間は平年値の約半分)のため,農作物,夏用品,レジャーなど多方面に大きな影響を与えた(1994年『山陰の気象の暦』日本気象協会松江・鳥取支部発行を参考)。特に稲作の被害は大きく,米不足,日本に居ながら外米を食べることになった。 ちょうどこの年の9月,札幌で全国図書館大会があり私も参加したのだが,札幌付近で目にする田んぼの稲は,もう収穫期なのに穂は垂れず,黄色く突っ立ったままだったのを思い出す。まさに宮澤賢治の「寒さの夏」だったのである。 まあ100年に1回あるかないか,そんなことはたびたびはなかろうとは思うが,ないともいえないのが自然現象だ。現在南アメリカは,エルニーニョ現象による猛烈な寒波に襲われているという。 蝉がそろそろうるさくなった。一句ひねってみるかと試みる。 今年は野菜の出来がすこぶるいい。トマトもキュウリもナスもピーマンもカボチャも二人では食べきれない。妻はせっせと息子のところに送っている。少々大きさはまちまちでも,形はいびつでも,無農薬,新鮮,手作りのうまさは間違いない。いよいよ夏だ。 |