そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.67 8月の庭 

 旅行から帰ると大変だ。鉢物の水やりだけは近所の人に頼んで出たのだが,草はどんどん生え茂って,植えてあるものをしのぐ勢いだ。出かける前にあんなにきれいに取ったはずなのに,またまた草取りに追われる毎日となろう。

 夏野菜ではトマトやピーマンはまだ元気だが,ナスは数が少なくなった。切り戻しをして秋ナスをならせよう。キュウリはもう終わりの模様。代わってニガウリやインゲンが取れるようになった。カボチャは大きいものが三つ,食べるのが大変だ。ニンジンも引き続いて収穫できる。ブドウはかなぶんに葉を食われて哀れな様子,「棚をきちんとしてやれ」といつも妻にせめられている。

 ヒマワリが咲き始めた。植えたわけではないが,去年の種がこぼれたものだ。ポーチュラカは6月ごろに苗を買って植えたもの。ヒャクニチソウやマリーゴールド,ブルーサルビアもよく咲いている。
 ヘチマは近所から苗をもらった。東側の窓に影を作るようにフウセンカズラといっしょに棚を作って這い上がらせている。2週間見ないうちに大きな実がぶら下がっている。フウセンカズラは緑の袋が風にそよいで涼しげだ。
 トケイソウを何年か前から植えていて,大きく育っているのにここ2年ほど花が咲かない。どうしてだろう。

 鉢物は水をもらって順調だ。変わったところではコンロンカ,別名ハンカチの木。黄色い小さな花が咲くが,その下にできる白い葉のようなもの(ホウだろうか)が「ハンカチ」の名のもとらしい。今年は半日陰の環境がよかったのかよく咲いている。
 ドウテイラン,近所から分けてもらった。中国の洞庭湖のように美しい青い花が咲くところからついた名だという。初めて花を見た。
 アニソドンテアサンレモクイーン,7・8年前に通信販売で買ったもの。長ったらしい名前で,和名,俗名は知らない。ピンクの小さな花が咲く。挿し木をしたらよく着いた。現在3鉢になっている。

 これまで学校の儀式用に育てていたプリムラ・マラコイデスは,今年も種を蒔いた。よく発芽し,三百ばかり苗を植え広げて勤めていた学校に持って行った。「種を蒔いたのですが芽が出ません」と担当の先生がぼやいていたので,ちょうどよかった。気温や土の質で時々発芽しなかったり,発芽しても消えてしまうことがある。このくらいのことで役に立つなら続けよう。                                                     (2002.8.7)