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稲よりも案山子の出来の見事さよ 谷野予志 学校の総合的な学習に農業体験をとり入れているところが多いが,米作りなどはかなり以前から行っていたところも多い。私が前に勤めていた学校もそうだった。田植え,稲刈り,稲こきなどの仕方を教わり,実際に行って,収穫後はみんなで餅や飯で会食をしておしまい。手作業で行った昔の農業などを教えてもらう。 さて,その案山子であるが,「かかし」とも「かがし」とも言う。『日本国語大辞典』(小学館)で調べてみる。 どうも「かがし」説が有力らしい。今でも節分には鰯の頭とヒイラギの葉を竹串に刺して,戸口に立てておく習慣が因幡地方には残っているが,臭いで害するものを追い払おうとすることは各地で昔から行われていたようだ。また,案山子には「神への願い」のような気持ちもこめられていたのではないか,という感じもある。 では,今の田んぼに実際に案山子はあるのだろうか。もう稲刈りが始まろうとしている8月25日,気高町の会下から鹿野町の小別所までを車を走らせてみた。案山子は2ヵ所だけしか見当たらなかった。 |