そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.89 文化の秋を訪ねて 

 
 文化の秋である。今年は第17回国民文化祭・とっとり2002(夢フェスタとっとり)が鳥取県で開催されることになっている。10月12日から11月4日まで県内各市町村でさまざまな分野の文化イベントが持たれる。せっかくの機会だから,そのうちのいくつかに行ってみようと思っている。

 10月13・14日の「気多の岬のフェスティバル」は気高町主催のイベントだから,敬意を表して出かけよう。これは,全国の海にまつわる民謡・民舞中心のステージらしい。
 10月26日には中部で行われる文芸祭の中,現代詩大会(北条町)に行こう。
 10月下旬から11月初めに西部で行われる出版文化・図書館関係のものにも,どれかに参加する予定にしている。

 と,まあこんな計画だ。もちろん,国民文化祭だけが文化ではない。早速今日(10月4日)は鳥取で開かれている詩画展に行ってきた。
「橋詰哲夫『詩と版画』展」については新聞の紹介記事で知った。その紹介記事を書いたのが「鳥取詩人訪問」で取り上げた手皮小四郎氏であった。その記事に惹かれるところもあって出かけたのであった。

 橋詰哲夫氏は社寺建築の彫刻を業とする職人で,鳥取市立川6丁目の秋雪工房で鑿を振るっている。詩画集『オリロフの詩』(写真)刊行を記念してこの詩画展を開いたという。

「ありがとうございます。」
 そう言って彼は私を迎えてくれた。
 社寺建築の彫刻家という名前から,その人柄や作品に鑿のような鋭さ,厳しさを予想していったが,私のイメージとは少し違っていた。もちろん詩の中に鋭さや厳しさはあったが,あたたかさとやわらかさも滲んでいた。それがオリロフというノッペラボウ(作者の分身か)に象徴されているのかもしれない。
 などと,ちょっとわけのわからぬ評をしたが,一見・一読の価値はある。詩画展は鳥取市本町1丁目ギャラリーあんどうで,10月7日(月)まで。

 10月6日には逢坂小学校の近くで,「大堤(おおづつみ)のうぐいつき」という行事がある。一昨年も見たが,もう一度見に行く予定。
 12日にはNHK文化センター主催の自然観察に参加する。池田家墓所で清末忠人氏の指導で行われる。文化の秋もなかなか忙しい。(2002.10.5)