そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.9 贈る詩集

 卒業式が近くなった。私は卒業生に何か贈り物をしたいと思っている。昨年は,子どもたちが希望する学校生活の写真を,詩に添えてラミネートフィルムにしてプレゼントしたが,今年は高学年2年間の『今月の詩』をまとめてやろう,と思った。

 私は子どもたちに毎月『今月の詩』と題して課題の詩を与えている。1・2年,3・4年,5・6年と3つずつの詩人の詩を覚えさせるのである。覚えて校長室にやって来た子どもには,しおりをプレゼントしている。

 私は私なりの目当ても持っている。低学年には『詩を楽しむ』,中学年には『詩を考える』,高学年は『詩を味わう』。なかなかそこまではいかないけれど,詩人の言葉を覚え,口ずさむことには大きな意味があると思っている。 

 しおりは最初印刷屋に頼んで印刷してもらったが,高くつくので最近は手作りにしている。さらに,しおりに小さなリボンをつける。毎月色を変えるので,引き出しにたまったリボンも12色を越えた。そんなことを数年間してきた。このページで前に書いたのもそのことである。

 2年間の詩は22ある。谷川俊太郎,宮澤賢治,茨木のり子など私の好きな詩を集めている。卒業生たちはほとんど毎月暗唱にやって来た。それなりの思いはあるだろう。だから,それらを1冊にまとめることには意味がある。それぞれのページに写真も入れることにした。デジタルカメラで撮ったものをためているのがこんなとき役に立つ。印刷は我が家のプリンタでできそうだ。何しろ今年の卒業生は8名。少ないことはいいことだ。

 表紙にも写真を使って,前書きにちょっと趣旨を書いて,なんとか自分なりの満足のいくものができそうだ。

 職員室で話したら,先生方もほしい,と言う。まあがんばって作るか。何年かやって来た仕事の一つのまとめだ。