そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.93 自然観察の会1 

 
 「仕事か趣味か,何かした方がいい。」と,妻がいろいろ言う。私は「別に何もしないと言っているのではない。たまたま不景気で,なかなか仕事などないのだ。」などと適当に理屈はつけている。しかし,そんなに進んで何かをやろうという気がないことも事実だ。まあ,太公望。あればよし,なければないでそれもよし。

 さて,そんな中で,「これ,やってみたらどう。」と妻に勧められたのがNHK鳥取文化センターの主催する講座だった。年間通して行うものが多いが,10月からの後期に向けて募集したのだった。
 いくつもの講座があるが,その中から「自然観察」を手始めに行うことにした。毎月第2土曜日にいろいろなところに出かけて自然観察を行うらしい。講師は,このページでもその著書を通して取り上げさせていただいた清末忠人さん。

 その第1回が,10月12日国府町の池田家墓所で行われた。
 この日の参加者は十数人,新人は私だけらしい。活動内容は1時間キノコ採集,そのあと清末先生から,名前や食べられるキノコか毒キノコかなどの判別をしてもらい,みんなでキノコ汁を味わって終わりということだった。
 私は前にも書いたが,春山はよく歩いているが秋山は詳しくない。覚えるのにちょうどよい機会かもしれない。この日の鳥取の最高気温26.1℃,暑いばかりである。木漏れ日がちらちらと明るく,陰とのコントラストが強くて,目が慣れないとピントがあわないような感じだ。「毒だろうがなんだろうが集めて来て」という指示なので,気楽に取れる。

 1時間がすぐ終わってもとの場所に集まり,みんなで広場に仲間分けをしながら並べた。清末先生は手にとって裏返したり足を見たり時にはかんでみたり,分からないのは本で調べたりしながら説明をした。
 そして,「すぐ食べられるもの」「苦味や辛味があるのでそれを除いてから」「毒」「詳しく調べなければ分からない」の4種類に分けられた。

 そのあとは会食。鍋はキノコを入れればよいところまで準備ができていたので,すぐに食べられた。ところが「苦い。」どうも苦いキノコが一つ混じってしまったらしい。二つあるうちの一つの鍋はとうとう食べられなかった。もう一つの鍋も私は苦いと思ったのだが,ほとんどの人がうまいと言って食べていた。
 2日たった今日になっても,どこからもキノコ中毒の知らせはないから大丈夫だったのだろう。               (2002.10.14)