バリアフリー報告:070513

エスコートゾーン[10]:国立国際医療センター構内にエスコートゾーン設置
−高田馬場駅周辺にもぜひエスコートゾーンを−


                               長谷川 貞夫


 エスコートゾーン(視覚障害者用道路横断帯)とは、横断歩道を歩いていることが、視覚障害者にはっきりと分かる横断帯です。

 視覚障害者は、横断歩道上で迷ってしまい、そのうちに信号が変わってしまったらパニックになります。

 これまでに度々報告して参りましたが、視覚障害者が横断歩道を安全に渡るためにはエスコートゾーンが是非とも必要です。(*)
 (*)
横断歩道のバリアフリー・エスコートゾーン



■国立国際医療センター構内のエスコートゾーン


 東京都新宿区戸山にある、国立国際医療センター構内の横断歩道にエスコートゾーンが敷設されているというのでそれを見てきました。

 ここは現在建物の工事中で、道路から広い構内に入って病院の入口までの通路が大きく変わっていました。

 広い構内ですから車道と歩道はきちんと区別されて、歩道には病院の入口まで点字ブロックが続いていました。

 エスコートゾーンは確かに、病院の構内に入ってから3カ所にありました。

 道路のバスの停留所から続く誘導ブロックの上を歩いていて、構内に入ると数メートル先に、右に曲がって最初の横断歩道があり、エスコートゾーンが敷設されてありました。

 ここのエスコートゾンの長さは約8メートルほどありました。

 そして、次のエスコートゾンは約4メートル、次は約7メートルほどでした。

 エスコートゾーンは、私が体験した中でも幾つか種類がありました。

 この病院の構内のものは幅が60センチで、JR中央線吉祥寺駅前のものと同系統のものでした。


・一つの突起の大きさは直径が約1.5センチメートルの半球形です。
・この突起が歩行の方向に対して横の直線状に18個が並びます。
・この突起よりなる横の直線が約8センチ間隔でハシゴのように並びます。
・歩く際は、歩行方向に対してこの横の線を足の裏に感じて歩きます。
・突起が点状であり、また歩く方向に対して横の直線ですから、歩道にある誘導ブロックの縦の方向の線状の突起とは足の感覚で明らかに区別ができます。
・横線の両側に少し離れて縦の方向に走る点状突起よりなる直線があります。
 これは、歩行がエスコートゾーンから脱線しないように敷かれたものです。
 これで、エスコートゾーンの全体の幅が約60センチです。


 エスコートゾーンにより、横断歩道上であるということが分かると、横断歩道からそれて車の間に入り込むこともなく、自信をもって向こう側にたどり着けます。

 また、赤信号になって横断歩道に入って止まっている車がよくあります。

このような車に触れた時は、視覚障害者は自分は今、横断歩道からそれてしまったのではないかと思ってしまいます。

 そして迷っているうちに、青信号から赤信号に変わってしまう恐れがあります。

 それこそパニックになります。

 この国立国際医療センター内では、もしエスコートゾーンがなくても車道も狭く車も外の道路のように多くありませんから、横断歩道を渡れないことはないと思いますが、エスコートゾーンがあることで、やはり安全で確実に道路を横断できます。

 しかし、ここよりずっと幅の広い道路の横断歩道の場合は、いくら音響による方向案内があっても騒音の激しい道路では不充分であり、どうしても安全のためにエスコートゾーンが必要です。




●高田馬場駅付近にエスコートゾーンを敷設する必要性


 高田馬場にはJR山手線、西武新宿線、東京メトロ東西線の高田馬場駅があります。

 そして、この付近には、日本盲人会連合、東京都盲人協会、日本点字図書館、東京ヘレンケラー協会、桜雲会、パソコンなどに関係したアメディア、ラビット、アットイーズなどの会社もあります。

 ですから視覚障害者の通行がかなり多い場所です。




◆高田馬場地区に特にエスコートゾーンを速く敷設する理由の1.


 私は山手線高田馬場駅の新宿寄りにある戸山口からよく日本点字図書館に行くことが多いです。

 高田馬場において誘導ブロックについて不思議なことを感じます。

 それは、明らかに車道を横切っていると思われる部分に、通常の線状ブロックが敷かれているのです。

 具体的に言うと新宿側の戸山口の改札を出て左に曲がり短い坂を上って右に曲がると日本点字図書館の方向です。

 この短い坂を上って右に曲がるところは車が横から来る道路に線状ブロックが敷かれています。

 また、この道路をまっすぐに進んで音響信号機のある横断歩道を渡り、しばらく行って四つ角を日本点字図書館の方向に右へ曲がるところです。

 ここも、車が横から来る道路に線状ブロックが敷かれています。

 このような場所が高田馬場地区のほかの地区にもあるのでしょうか。

 きっとこの辺は視覚障害者が多いので特にこのようになっているのかと思います。

 しかし、視覚障害者でこのような道路であることを知らない人は、そこは歩道で車が横切ることはないと、安心して歩いてしまいます。

 ★これは危険なことです。

 ですから、このようなところには、車道を横切っているということが分かるように、エスコートゾーンをぜひ敷設すべきものと考えます。

 また、別の意味でエスコートゾーンを敷設すべき所があると思います。

 それは、前にも触れた同じく戸山口から日本点字図書館方面へ行く途中の音響式信号機のある横断歩道です。

 ここは、音響式信号機があり、また道路としては約8メートルぐらいと狭いのですが、視覚障害者は、この信号のある横断歩道をよく渡りますから、ここにもエスコートゾーンを敷設し、二重、三重に安全に渡れたら良いと思います。




◆高田馬場地区に特にエスコートゾーンを速く敷設する理由の2


 まだエスコートゾーンを知っている人が少ないようです。

 それは、エスコートゾーンは全国的に見ても敷設されている場所が少ないからです

 
 そこで考えるのですが、高田馬場は視覚障害者に関係する施設が多く、そのために通行する視覚障害者やその関係者が多いのです。

 また、全国的な施設がありますから、全国から来る多くの視覚障害者がエスコートゾーンを体験することになります。

 私は視覚障害者を目的地まで安全に歩いてたどり着けるよう、そこまでの横断歩道にはすべて、エスコートゾーンを敷設すべきかと考えます。

 また重要なことは、全国の多くの視覚障害者の方、そして、特に視覚障害者団体の指導的立場の方には、是非ともエスコートゾーンを体験していただいて、その各地にエスコートゾーンを敷設していただきたいと思います。

 エスコートゾーンは、視覚障害者の安全な道路横断のためには、駅ホームからの転落防止のホームドアと同じに重要なものであることを理解していただきたいと願っております。

 それには、国立国際医療センターと同じ新宿区内にある高田馬場地区にエスコートゾーンを敷設し、まず視覚障害の関係者にその必要性を理解してもらうことが第一かと思います。


(2007年5月12日)






【写真説明】

上から

(1)新宿区戸山にある国立国際医療センターは工事中。

(2)横断歩道3カ所すべてにエスコートゾーンが敷設されている。(入口付近の横断歩道)

(3)病院入口手前の横断歩道にあるエスコートゾーン。

(4)高田馬場駅戸山口近くの横断歩道にある線状(誘導)ブロックと通過する車。



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