★ユビキタス社会:060713
− 伊勢丹が独自にucode(ユーコード)のICタグで屋上ガーデン −




            長谷川 貞夫

 これからのユビキタス社会へ向けての障害者に関係すると思われる先駆けの神戸地区で代表される国土交通省の「高齢者・障害者自律移動支援プロジェクト」実証実験を視覚障害者の立場で何カ所かのものを紹介して参りました。

 これらの場合は、ユビキタスコミュニケーターという端末は、担当の係員のみが歩行を支援をするために操作していました。


・今回のものは、タッチパネルだけでなく、押しボタンもあり、それを視覚障害者も操作できるようになっていたところに特長があります。

 また、農水省などによるICタグの流通実験、浅草の観光ガイド、上野動物園など、これまでのユビキタス社会におけるトロンの実証実験も紹介して参りました。

 残念ながら、健常者を対象とする実証実験とは言え、これらもタッチパネルによる視力のみによる操作でした。

『TRON(トロン)ICタグ・「ucode(ユーコード)」と視覚障害者』
http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/24600271/

 従来のものは、まだ実証実験ということで、何らかの形で国や自治体の支援によるものでした。



 ところが、今回、以下にご紹介する、伊勢丹「アイ・ガーデン草花ガイドツアー」は、企業である伊勢丹が独自の事業企画として行なっています。

 いよいよ、ユビキタス社会到来を前に企業独自の事業が開始されたとの思いです。





・以下はニュースからです。

『伊勢丹・新宿本店の屋上が“ユビキタス”な庭園に』
http://ascii24.com/news/i/net/article/2006/06/01/662568-000.html
--------引用です。
2006年6月1日
(株)伊勢丹は1日、新宿本店の屋上に屋上庭園の“アイ・ガーデン”をオープンし、合わせて関係者向けにセレモニーを開催した。伊勢丹によれば約2.5億円の総工費をかけ、約2050m2の面積を緑化したという。庭園内にはYRPユビキタス・ネットワーキング研究所が制作に協力した草花ガイドシステムが導入された。ネームプレート付きのポールが11カ所に置いてあり、専用の携帯端末を10cm程度まで近づけることで、付近の草木の解説が文字や音声で確認できる。携帯端末は、伊勢丹の“アイキッズクラブ”の会員を対象に、新宿本店6Fのアイキッズカウンターにて貸し出される。
----------引用終わり。
 
 
  YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の解説によると、庭園のネームプレートに埋め込まれているのは(株)日立製作所のμチップで、携帯端末とは2.45GHz帯の無線で通信しているとのことです。



■以下、伊勢丹新宿本店での体験です。

 本来なら子どもを対象とした会員のみが参加できますが、今回は、特別に視覚障害者として参加させてもらいました。

 まず、6階のカウンターでは、ユビキタスコミュニケータの説明を受けました。

 ユビキタスコミュニケータは新型とのことですが、形と大きさは基本的にこれまでのものと同じです。

 今回の新型では、操作は、画面の下にある1から4までのボタンと、中央にある決定ボタンとその左右のキー操作が可能になっていました。

 内容の説明を受けて屋上のガーデンに行き、植物の前のICプレートに埋められたICタグをユビキタスコミュニケーターで読むと子どもを対象にした簡単なクイズ形式の設問になっていました。

 その解答は、ユビキタスコミュニケーターのタッチパネルか、あるいは、その押しボタンで選ぶようになっていました。





★ガーデンでのユビキタスコミュニケーターと、子どもとの応答の例


(メロディーが聞こえてから。)
<質問「どんぐりころころ」の歌を一緒に歌ってみましょう。

「どんぐりころころ」の次はなんでしょうか、次の3つの答えから選んで下さい。
1、どんぐりこ
2、どんぶりこ
3、どんぶらこ

(この設問に対し、子どもがタッチパネルを触るか、数字ボタンを押して答える)
(私もボタンで答えました。)

 サイン音で正解か間違いかがすぐに分かり、続けてユビキタスコミュニケータからの解説があります。

 これは、おおよその状況の説明ですが、ICタグからはこのような楽しい情報とクイズが画面と音声で流れます。

 体験してみると、ユビキタスコミュニケータ(UC)の音声案内により、UC下部にある数字ボタンと、十字キー操作で、視覚障害者が一人でUCを操作できるようになっていました。

 このことは、これまでの実証実験とは違って、ユビキタスコミュニケーターから与えられる情報と視覚障害者が相互にコミュニケートできるということでした。

 いずれ、必要なICタグも携帯電話で読み取れるようになると、このような音声案内のシステムは、携帯電話の一つの機能として広く普及するカギとなると思われます。

 「ユビキタスコミュニケーター」という、やや大きめな端末は、最終的なものを開発するために、機能を確認するためのとりあえずの手段の装置であるということです。


(参考リンク)
伊勢丹新宿本店屋上庭園で uID 技術を使った 「アイ・ガーデン」草花ガイドツアーを導入(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所)



(2006年7月13日)




【写真】
(上・左)
伊勢丹新宿本店6階にある、アイキッズカウンターで、係の方から説明を聞く。

(上・右)
屋上の「アイ・ガーデン」に設置されたICタグプレート「初夏の山」にユビキタスコミュニケータをかざす。

(中)
ユビキタスコミュニケータには解説が画面に表示され、同時に音声でも流れる。その後、クイズなどもあり、音声案内で押しボタンを操作することができる。





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               (撮影/古川 愛子)