さて巷では紙ジャケ復刻を機会に再び盛り上がっているFREEですが、
【2002年4月現在】改めて私なんかが書かなくても、DIGをよんでもらった
ほうが、勉強になりそうなので、アーサーブラウン特集でもやろうかと思いましたが
理事長に解雇されそうなので、この愛すべき、STEVE理事長も大好きな、FREE
で盛り上がりましょう。【酒の肴にしましょう。】
細かいデータはCDのライナーで読んでいただくとして【オイオイ】ここではこのバンドのキ−となるいくつかのポイントをおさらいしてみましょう。
1, 大英帝国における60年代後半からのブルースロックブーム。
丁度今の若い人が、クラブに出かけるように、おしゃれしてマーキーにヤードバーズを見に出かけていた。あるいは、男の子がDJをめざしてレコードプレーヤーを買うようにギターを手にしたのである。かどうかわかりませんが、きっと高校の廊下では
「B,Bってクールだよな。」てな会話がなされていたに違いない。と思います。
2, 若さ。
17,8歳でデビューして、解散時でも22,3歳てことは、ほぼ大学のサークル活動くらいですな。巨人の松井みたいに18の頃から大人みたいな人もいるから、何とも言えませんが。
3, ポールロジャースのきまじめさ。
言い換えればプロ意識の高さみたいな物を、ロジャースのキャリアから私は感じます。
自己満足的なレコードや一流セッションマンにお任せ的レコードはない人だと感じます。【例外は1部ありますが】状況はどうあれ、一定のクオリテイーを保った作品を提供するプロの仕事人としての側面をここにあげたいと思います。
そのぶん、破綻をきたしたような「ロック的な」作品が少なく、悪くすると「退屈な」レコードを作る【バドカン以降】傾向があるように感じます。
【ポールコゾフはブライアンジョーンズだった?】
もしFREEが、この1枚で消滅したとしたら、あるいはこの路線で何枚もアルバムを作ったとしたら−と時々思います。
幻のブルースロックバンドとしてコレクターズアイテムの1枚になったか?【現実優れたブルースロックバンドは他にもたくさんあった】
あるいは、マックやチッキンシャックと共に4大ブルースバンドと呼ばれてたりして。
しかしながら、このアルバムには、凡百のブルースロックにならない、なりえない要素が
あります。フレイザーのベースです。正にブルースブレーカーといえる彼のプレーは
本当に今聞いても新鮮ですね。正に天才少年。そしてロジャースのソウルフルだが滑らかで、スムーズな【スコッチの売り文句みたい】
ヴォーカル。【後年コテコテになりますが。】
このレコードにおけるコゾフは本当に気持ちよさそうに弾いてますよね。私は後追いファンなので、他のレコードより後に聞いたので、
「なんだ、上手に弾けるんだ」【失礼】と思ったもんです。ここにはコゾフがよく表現されるところの、
【泣き叫ぶような】悲痛な印象はなく、「こんなバンドで弾きたかった」てな感じのポジテイブさを感じます。
そういう意味においてコゾフのスタイルはフレイザー、ロジャース組の作曲能力の向上に伴い変化せざるをえなかった、
といえるかもしれませんね。
この時点でロジャースは19歳、コゾフは18歳、フレイザーは17歳、私が思うにこの位の年齢の1つ、2つの年齢差はすごく大きいん
ではないでしょうか?どうもコゾフに関しては、そのギタースタイルと相まって悲劇の主人公的にとらえてしまいますが、
カークと共にロジャースを見つけバンドを作った経緯を考えると、次作から年上のロジャースはともかく、
年下のフレイザーに主導権をにぎられるのは、【ワシのバンド】が崩壊していくように悔しかったのではないかと思うわけです。
非常に優れたソングライターコンビに主導権を握られ干される−私はローリングストーンズのあの人と重なって仕方がありません。
【もちろんコゾフはこの後数年間ピークを迎えるわけですが】コゾフの薬物依存はFREEの解散のショックからといわれていますが、
実はこのあたりが原因だったりしてなんて考えてしまうわけです。
【浪花節的ですみません】がそう考えながらもう一度コゾフのギターを聞いてください、どうです、泣けるでしょう、
さーもう一杯どうです。何、酒を代える?そうですよね、コゾフのギターには日本酒ですよね。
「フレイザーにぴったりのドラマーは誰でしょう?」
もう、ちょっと前の話で恐縮ですが、ボブ、クリアマウンテンがリミックスしたベスト盤を聞いたときは驚きましたよね。
ポップでクリアーそんでもってソリッド。それまで持っていたFREEのイメージとほど遠いもので、
【つまり今までは、暗くて、こもってて、湿っぽい、即ちとても私の好きな】ボブさんは偉い人だと思うと同時に
【やりすぎの感もありましたが】これを最初に聞く人はずいぶん違う印象を受けるんだろうなと思ったものです。
【関係ありませんが、N,Yパンクのデッドボーイズの1STのリミックスもすごかったです。】
この2NDは例えばポールウェラーなんかの影響で、一回りしてなんかFREEっぽいなと【私が感じる】
バンドがでてきた今聞くと一番旬ではないかと感じます。FREEからバドカンに引き継がれなかったものが
【CREEPIN】や【YESTERDAY】にあふれています。【他にもたくさんありますが】
フレイザーのベースを中心とするこの緊張感を孕んだ、空間を生かした演奏スタイルは唯一無比のもので、
もっともFREEらしいはつらつさと重さを兼ね備えたアルバムではないでしょうか。
ここでのコゾフは自己のスタイルを模索してるかのように感じます。フレイザー−ロジャースコンビ中心のバンドの変化に
未だ追いついていないようにも感じます。
このアルバムで急速な技術的進歩を遂げたと感じるのはロジャースでフレージングの豊かさやフェイクの格好良さは
すでに当時の激戦区のイギリスヴォーカリスト市場でも最高の部類といえるでしょう。そういう意味では
ロッド、スチュアートなんかより早く開花したと言っていいかもしれません。
異論のあるところかと思いますが、全作のブルースロック的ノリではあまり目立たなかったカークのドタバタドラムがこのアルバムでは、
折角のフレイザーのノリを壊しているように感じ、当時は「これがコージーなら」とか「イアンペイスなら」とか
よく考えながら聞いていたもんです。もちろんカークはバンドの終わり頃までに急速に進歩するわけですが、
それでも、後のボズバレルとのグルーブのほうが気持ちよいと私は感じます。
さー、今夜はこの話で飲みましょう。ブローバイブローでたたいてた、リチャードベイリーはどうでしょう、
ミッチミッチェルなんて手もあるか?サイモンフィリップスは年齢的にむりか、、、
(1)「ALL RIGHT NOWはいらない。」
いきなり私事で恐縮ですが多分高校生の時、いや中学生の終わりだったか1番最初に買ったFREEのレコードがこれで、
確か東芝の廉価盤シリーズで1500円だった記憶があります。
多分当時手に入ったのは【国内盤がでていたのは】このアルバムだけではなかったかと思います。
もう少し後になって他のアルバムがぼちぼち再発された記憶があります。
私の持ってるのはすべて国内再発もの【2回目の?】で、後々オリジナルのジャケを見て【特にライブ】
安っぽいジャケだったことに気づくわけです【泣】。
今思い出してみると、ハンブルパイもブラックサバスもステイタスクオーもモットザフープルもフェイセスもジョニーウインターも
マウンテンもアルクーパー、マイクブルームフィールド、サンタナ、ジャニスやヘンドリックスまで全て私がお世話になったのは、
この70年代後半からの再発、廉価物【ソニー、フォノグラム、東芝等】で、遅れてきたロック少年には、とてもありがたいものでした。
昔話につきあっていただいて恐縮です。私がここで申し上げたいのは、70年代の終わり頃から80年代にかけ、
上記のような有名なアーテイストのレコードも国内盤は廃盤のものが多かったという事実です。
個人的にはブラックサバスなんかの初期の作品は輸入盤で手に入れた記憶があります。
話は少しさかのぼりますが、バッドカンパニーが1STを大ヒットさせて来日したときでさえ、
FREEのレコードは全て廃盤だというのをミュージックライフで読んだ覚えがあります。
要は現在ヴィンテージ物のように奉られるそういう有名バンドでさえ当時は、はやり物の一つだったということですね。
さてパンクだニューウェイブだという時代に、ぽーるこぞふはいいねー とか言ってる小僧は当然クラスメートと話しがあわず、
家でこのレコードを毎日聴いていました。【エアロのロックスやキッスアライブも聞いてましたが。】
ですから今でも【WEPT】、【LOAD】そして【LOVE ME】なんかには思わず遠い視線になってしまう自分がいます。
そんな暗い少年にとって邪魔な曲がありました。最後の曲です。実際今聞いても、いきなりポシテイブな雰囲気を振りまき、
急に出音が変わるこの曲は、「変」。このアルバムには「ないほうがいい」と思うのは私だけでしょうか?
代替え案として
@ミスタービッグのソロパートを引き延ばし15分位にして終曲とする。
A当時ライブでやってたクロスロードをラストナンバーとしていれる。あなたならどうする? このままでいい、 そうですか
(2)「リッチガールをポールロジャースが歌ったらヒットしただろうか?」
FREEの代表曲が多く含まれるこのアルバムの評価は昔から【代表作】あるいは【スタイルの確立された】という、
いわゆる名作扱いされている物が多く昨今のものを見てもほとんど変化がありません。
確かに各メンバーの演奏スタイルが確立され並び立ちそういう意味で聞きやすくかつ印象に残る曲が多いアルバムではあります。
が、個人的には、クールな全作と成熟を感じさせる次作の間で古臭く感じるアルバムです。
これはこのアルバムに限らないことですが、彼等のレコードのプロデュースの悪さ【パープルのレコードなんかにも感じますが。】
を感じます。特にこのレコードにそれは強く私は感じ同時期の【名作】と比べると「青臭さく」「若さを露呈した」
かつ「ベタな」感じがします。【だからいいんだというのもあるんでしょうが】
さて例のBOXSETを聞いていて個人的に感慨深かったのはは【LOVE ME】の新しいミックスでした。
消されていたと思われるバックコーラスはジョン オーツの物です。と言いたくなってしまう程【ホールアンドオーツ風】で
いわゆるノーザンソウル風に聞こえるのです。ホールアンドオーツがカバーしてたらヒットしたかもなんて考えてしまいました。
そう考えるとダリルホールとポールロジャースは結構近いよな、なんて思いませんか?
逆に【FIRE】の新しいミックスは音の分離が良すぎてあの劇的なソロパートの「ドラムがなる中、綱渡りするような」
「ハウリングの中ドラマチックにリードギターが音を延ばし続ける」−大昔のローリングストーンレコードガイドから
−が損なわれてるような気がしますがどうでしょう。音が団子になってるから格好良いというのは、他にもありますよね。
なんかホールアンドオーツのレコードが聴きたくなっちゃいましたね。あの銀色のジャケの奴が良かったような
「このまま続けていたらFREEはZEPPELINになれたか?」
68年にTHE BANDが【MUSIC FROM BIG PINK】を出したとき、
きっと他のロックミュージシャン達は、自分たちのチャラチャラしたサイケな服や、大音量での長いジャムが
恥ずかしくなったんじゃないのかと思ったりします。
このFREEのレコードに限らず、エリックもジョージもポールもロッドもジミーも少なからずこの時期影響
を受けたと思われる作品をリリースしてますね。
正確にはディランとバンドに影響を受けたというところだと思うんですが、
きっと「やられた、俺がしたかったのはあれやったんや。俺ら何やってたんやろ。」
とかマーキーで語り会っていたに違いありません。【見てきたようにいいますが。】
オリジナルFREEの最後の作品と言えるこのレコード、短命であったこのバンドが行き着いたなかなかの傑作
だと思います。
バンドのメンバーの表現力は前作から格段に進歩し、洗練された印象を受けます。
後のバドカンでのロジャースのアメリカ指向はここから始まったという意味でも
重要な作品といえるかもしれません。【コゾフは居心地が悪そうですが。】
THE BANDの影響はアルバム全体に感じられますが、特に【MY WAY】なんかのバックの
ハープシコードなんか、ガースハドソンが弾いてるんじゃないかと思うほど「もろ」です。
当然ながら歌物が多いレコードで、短期間でバンドが変化し、成長する姿を改めて感じると共に、
分裂を予感させます。
ライブでの定番となる有名曲は比較的以前のフリーを感じさせるものですが、個人的に最も好きな曲は
コンテンポラリーといっていいほど洗練された「BODIE」で隠れた名曲と言えるんじゃないでしょうか?
さて、この少し後からイギリスには、カントリーロックや、スワンプっぽいロック、
後のパブロックと呼ばれる連中までアメリカ指向のバンドが腐るほどでてきますが、いち早く影響を表現した
フリーや他のアーティスト達は後のバンド達に比較すると、自分たちの音楽に取り入れ独自の物を作り出していると
共に洗練を感じますがいかがでしょう?
非常にきまじめにやってる分、パブロックバンドみたいな、いなたい、シャレた格好良さはありませんが。
このアルバム、改めて聞き直してみると、全体的に詰めの甘さや、くいたりなさを感じないでもありませんが、
そこがまたフリーらしいんじゃないかなんて思ったりしますね。
なんだかブリンズレーシュワルツやロニーレーンのレコードが聴きたくなりました。
「仁義なき戦い型ライブアルバム」
私はこの間まで知らなかったんですが、このアルバム、バンドの解散宣言の後で出たんですね。
レコード会社との「もう一枚」という契約があったのかどうか知りませんが、改めて聞いてみると
『編集』で『蔵出し』な感じがしないでもありません。【スタジオ曲も付加されてますし】
実際【ALLRIGHTNOW】で始まるライブというのは、なかったはずで、
このアルバムの曲の中では、【FIRE】か【RIDE】くらいがオープニングになるんでしょうが、
もしそれらの曲がオープニングだとすると、このアルバムの評価は随分変わったんじゃないかと思います。
編集の勝利ですね。
後にBOXも含めライブテイクはリリースされますが、このアルバム中の7曲は特に【というか圧倒的に】
秀でています。聞いた当時はもっと聞きたいという感じがしたものです。
が、このアルバムと同じくらい好きなTHE WHOの【LEEDS】の長尺盤がでたときに
やはりあのオリジナルフォーマットは素晴らしかったと感じたように、このフォーマット自体がベストと
感じますが、いかがでしょう。
さてこのレコードの内容に関しては、ロックライブの名盤としての評価に付け加えることがないですね。
全編『カーッ、男だねー』てな感じのヤクザで一本気なライブが楽しめます。
「おらおら、始めるぞ」とカークがたたけば、「レコードで弾かせてもらえん分引き倒させてもらいますわ」
とコゾフは泣きまくり、「やりやがったな、そこどきやがれ」とフレイザーは唸り、
そこへ「100年早いんじゃボケ」とロジャースが吠えるというヤクザ映画顔負けの大スペクタクルです。【ガラが悪くなりましたが】
この時期バンド内の人間関係は最悪だったそうですが、
えてして、バンドがピークに達してテンションが高い時期というのはそんなものじゃないんでしょうか。
最後のスタジオ曲【GET WHERE】は個人的には大好きな曲で【HIGHWAY】の流れを組む、
100の悲しみを80で表現するような【わかりにくい表現ですみません】しなやかで哀愁を感じさせる名曲です。最後の転調のセンスなんか素晴らしい、ああやって終わるとドラマチックになるんですねー。勉強になります。
私事で恐縮ですが、数年前に、理事長の好意でチケットを頂いて、ポールロジャースのライブを
理事長夫人と見に行かせていただきました。その時もこのアルバムと同じように、MCから曲へ入る展開でした。
多くののFREEやバドカンのブートやビデオを見聞きし過ぎたせいで、初めて見たのに、
いつも見てるような気がした自分にびっくりしました。【ほとんど全部歌える自分にも驚きましたが【笑】】
なかなかすてきなライブではありましたが、一種のくいたりなさ【地方公演で手を抜いた?】を感じるところがありました。
最近のロジャースはコテコテの芸人ぽくてやだな、と言う感じを持っていたのですが、
このアルバムにも通じる、熱っぽいが8の力でやってる感じというクールな感じが今思い起こせば、ありましたね。【欲目かもしれませんが】
考えてみるとパープルもパイもアッシュもリジーもクリムゾンもメンバーチェンジや解散を目前に
素晴らしいライブ盤を残してますね。優秀なメンバーが集まるとテンションも高くなるんでしょうが、
ある程度仲が悪い方がいい仕事ができるというのは、実社会でも結構そうだったりして。
「GREAT BRITISH ROCK ALBUM」
フリーの再結成はコゾフの救済という話が一般的なようですが、確かにこのアルバムはフリーの原点に帰ろうという意志を感じないでもありません。
アメリカ指向の明確な【HIGWAY】とよりスワンピーな【HEARTBREAKER】の間で位置ずけが難しいレコードと感じますがいかがでしょう。
「ベーシストはギタリストを嫌っていた」と何かで読んだ記憶がありますが、このアルバムに顕著なのは、不在と言っても過言でない位のフレイザーのおとなしさで、
元来このバンドの持っていた「はつらつさ」や「歯切れの良さ」はあまり感じられなく思います。
かわりにこのレコード全体を支配する、物憂げな感じは意識したかどうかは別として非常にイギリス的で個人的には最も良く聞いたレコードとなりました。
【SOLDIER】【SAILON】【MAGICSHIP】【GARDEN】【GOODBYE】こういう曲達は言ってみれば私にとって最もフリーらしいなと感じるもので、
このアルバムで完成を見たと思います。この手のブリティッシュフォークからの影響も感じる曲は、その後ロジャースのキャリアからあまり聞かれなくなったのは残念ですね。
反面、【LITTLE BIT】とか【TRAVEL】なんかは後のバドカンに直結するノリ重視のわかりやすいハードロックでこの辺は以前のこのバンドになかった物と思います。
この後のアメリカンツア−ではこれらの曲をギンギンに演奏してるのを聴けますが【ブートで】ロジャース自信「これで行こう」という感じを掴んだのかもしれませんね。
グレッグレイクがクリムゾンのアメリカンツアーで感じたように。
そのツアー中にコゾフは再びリタイアしてしまうわけですが、このレコードは「コゾフにもう一度弾かせたい」という思いの中で作られた曲が多いと感じる私は感傷的過ぎるかもしれませんね。
ウェットでブルージーな曲が多くコゾフは期待に応え【?】艶っぽく弾いています。
どちらかと言えば肯定的には語られないアルバムではありますが、ロジャースのヴォーカルは本当に素晴らしく、
カークは安定し【AT LAST】というタイトルにふさわしい好アルバムと思います。余談ですが、コゾフ等フリーの連中も参加したアメイジングブロンデルの
【MULGRAVE STREET】というレコードがありますが、このアルバムと似た雰囲気を持った素晴らしいイギリスのフォークロックアルバムです。
未聴の方は是非
【ロジャース、デレクアンドドミノス事件における検察側証言】
仮説1,このアルバムのコンセプト自体は【HIGHAY】の時点であった。しかしコゾフの救済−等、やらなければならない事があった。
それにフレイザーは絶対にやりたがらない音だと被告は感じた。
証言1,ロジャースがよく言ってたよ。「エリックはずるいぜ、アメリカ人と組やがってよー。
俺だって南部にいきゃあんなレコードは朝飯めーよ。」【事情通】
仮説2、とりあえず【AT LAST】でコゾフへの義理は果たした。案の定コゾフを嫌がっていたフレイザーも消えてくれた。これで邪魔する奴はいない。
証言2,「あの悲惨な72年のアメリカンツアーの後のことさ」匿名電話の男はこう切り出した。
「奴さん、モットナンとか言うバンドの奴とヒソヒソ話をしてたんだ。」「アメリカでオバカなパーティーロックで成功して大金持ちにナローゼ」ってね。
そーいやこうも言ってたっけ。「ちょっと待ってくれねーかな。まだやり残したことが1つある。」
仮説3、【HIGHAY】はTHE BANDだったが、よりスワンプっぽいのがトレンドだ。
曲作りの相棒にはデュアンやウィットロックみたいなリアル−サザンマンが必要、それともマッスルショールズへ行くか?と被告は考えた。
判決 時代に流されたとも言えるが、それはポップアーティストのサガ。意欲的だが趣味的、これぞロックンロールの本質とも言える。
タイトル曲はフリー流の洗練されたブルースロックの完成型と言えるし、【EASY】はポップな名曲、
共犯のラビット被告の曲もブリティッシュスワンプに料理され素晴らしいし【SEVEN】はドラマチックな名曲である。
そして、盟友コゾフ氏の素晴らしいギターをフューチャーした【COME TOGETHER】の美しさには言葉を失うごときである。
被告のヴォーカルもキャリアのピークと言える程、フレージングの豊かさ、抑制の利いた感情表現は素晴らしい。
この一件に関し計画犯罪との見方も出来るが、アルバム発表後のツアーに弾けない盟友を起用するなど情状酌量の余地はある。
むしろこれ以降被告は新しい物を作りだすことなく過去の遺産で食いつないでいることのほうが問題ではないか。よって本法廷は被告を無罪とする。
だだし、もうマディーウオータースのカバーアルバムを作るのは禁止する。 これにて閉廷。パチパチパチ。