私はフレイザーのソロのレコードはこれを最初に買いましたが、とにかくびっくりしたのを覚えています。
何故か？
１：このアルバムはほぼ「ひとりＦＲＥＥ」状態だったから。
２：本当にヴォーカルがうまく、かつロジャースにそっくりだったから。
３：キーボードとのトリオならソロはキーボードがとっていると思ったら、、、。
ＦＲＥＥというバンドのクールさ、涼しげとといったらいいのか、そのストイックなセンス、
全てこのアルバムに引き継がれていると私は感じます。これ以降【といっても２枚しか出していませんが】
こういう形【バンドを組んで】はないことを考えると、過去の総決算的に感じたりします。
ここではＦＲＥＥ時代よりも黒っぽくかつストイックな感じが前編に感じられ、
個人的には最近のポールウェラーなんかとダブりますがいかがでしょう？
この後彼は当時のブームともいえるマッスルショールズでの録音をしていますが、何となくわかる気がします。
が、このアルバムが名作と呼ばれないのには、訳があります。
あまりにも贅肉をそぎ落としすぎ、演奏がモノトーンすぎるから−と思います。
やはり� 全編ベースソロというのは聴いていてキツイ。もしここにコゾフがいたら、そう思われてなりません。
７１年ＦＲＥＥの一時解散の副産物として生まれたこの作品、
【ＨＩＧＨＷＡＹ】で見られた洗練されリラックスした雰囲気を押し進めたような作品で個人的には大好きなアルバムです。
例えれば、ジョンとポールが喧嘩別れした後、残されたジョージとリンゴが作ったアルバムとでも言えばよいのかもしれません。
控えめながら、じわじわ良さが伝わってくる【スルメ的】なレコードです。
考えてみれば、このメンツにロジャースが加われば【ハートブレーカー】になるわけで、
プレ・ハートブレーカーといっていいかもしれませんね。【コソフはハートブレーカーでは半分くらいしか弾いてませんが。】
地味ながら良い曲が満載で、マギーベルがカバーした、再編ＦＲＥＥもライブでやってた名バラード「ＨＯＬＤ ＯＮ」、
これまた再編ＦＲＥＥもライブでやってた「ＯＮ ＴＨＥ ＲＵＮ」コソフのギターが最高に艶っぽい、
【このアルバム全体で本当に素晴らしいのですが】「ＢＯＸ」等あげればキリがありません。が私が最も愛してやまないのが、
サイモンカーク作の「ＡＮＮＡ」です。後にバドカンがリメイクしロジャースが歌い上げる【こぶしを回しまくる】
バージョンが存在しますが、このカークが、不器用に愛した女性への思いを語るこのオリジナルは、
私に歌はテクではないということを教えてくれました。
【決して自分の音痴を弁護するわけではありませんが】聞くたびに胸が熱くなるのは私だけでしょうか？
詞が過去の女のことを歌っているのが少し問題ですが【すごく問題？】結婚式の退場シーンで使いたいと独身の私なんか思うわけです。
ところでラビット氏のホームページに彼がインタビューで「ＣＯＬＯＵＲＳ」のヴォーカルはコゾフだというようなことを書いてました。
【そういえばかなり音痴−失礼】私の日本版ＣＤにはコゾフヴォーカルのクレジットはありません。どうなんでしょうね。
さて、この時期の残り２人の音源はロジャースのピースはＢＯＯＴＬＥＧ等で聞けますが、
フレイザーのＴＯＢＹは未だ聞けないですよね。存在するのか？確かギターはエイドリアンフィッシャー
【個人的にＢＯＸＥＲの３ＲＤでのプレイは大好きです】でしたよね。ああ聞きたい。
そういやロビントロワーとフランキーミラーの【ＪＵＤＥ】も聞きたいなー。どなたかご教授いただければ幸いです。
しかし、年中こんなこと考えてる私は、、
ラビットことジョンバンドリックがまだテキサスにいた７０年にリリースされた、ＢＬＡＣＫＷＥＬＬのデビューアルバム。
【資料によると７８年にもう一枚出している−がそれがどういうメンバーのものかは不明】
ラビットは、ほぼ全曲にわたり作曲に関わり、アレンジを全てこなし、パーソナルクレジットでも一番上に名前が書いてあるところを
見ると、彼がリーダーだったようですね。
ここで聞かれる音は、どちらかと言えば最近で言うところの「ソフトロック」的なもので、ラビットと曲を共作している、
グレン・ギブソンというシンガーを中心とする歌物が中心となっています。
時代を反映したジャジーなオルガンやサイケなギター、Ｊ・エアプレインがやりそうなおサイケなブルースナンバーもありますが、
重厚なキーボードやストリングスに包まれた、お行儀の良いポップスが中心です。
７０年と言う時代を考えてもちょっと古臭く感じるかもしれません。
しかしながら後の彼からは考えにくいキース・エマーソンばりのギンギンのソロが聞けたり、
何よりもこういう曲も書けるのかという驚きがあることはあります。
尚ベースを弾いているのは、後のバックストリートクローラーのテリーウィルソンです。
この頃からのつき合いだったんですね。