Ring Back Tone

電話をかけると、プルルルルという呼出音や、プープープという話中音が流れてきます。 この音がどう決まっているかを調べてみました。

NTTの決まり

NTT西日本技術参考資料 を見ると可聴音として、次のような音が定義されていました。

法律の決まり

電話会社はNTTだけでないので、法律も調べてみました。 事業用電気通信設備規則(昭和六十年四月一日郵政省令第三十号)の第三十二条と三十三条に以下の様に書かれています。

(その他の信号送出条件)
第三十二条 事業用電気通信回線設備は、次に掲げる場合は可聴音(耳で聴くことが可能な特定周波数の音をいう。以下同じ。)又は音声によりその状態を発信側の端末設備等に対して通知しなければならない。
一 端末設備等が送出する発呼信号を受信した後、選択信号を受信することが可能となつた場合
二 接続の要求をされた着信側の端末設備等を呼出し中である場合
三 接続の要求をされた着信側の端末設備等が着信可能な状態でない場合又は接続の要求をされた着信側の端末設備等への接続が不可能な場合
(可聴音送出条件)
第三十三条 事業用電気通信回線設備は、前条の各号において可聴音によりその状態を通知する場合は、次に定めるところにより、端末設備等を接続する点において可聴音を送出しなければならない。
一 前条第一号に定める場合に送出する可聴音(以下「発信音」という。)は、別表第五号に示す条件によること。
二 前条第二号に定める場合に送出する可聴音(以下「呼出音」という。)は、別表第五号に示す条件によること。
三 前条第三号に定める場合に送出する可聴音(以下「話中音」という。)は、別表第五号に示す条件によること。

そして別表第五号には以下の記述があります。

別表第五号 可聴音信号送出条件(第33条関係)
可聴音 項目 条件
発信音 信号送出形式 400Hzの周波数の信号を連続送出
送出電力 (−22−L)dBm以上−19dBm以下
呼出音 信号送出形式 400Hzの周波数の信号を15Hz以上20Hz以下の周波数の信号で変調(変調率は85±15%以内)した信号を断続数20IPM±20%以内かつメーク率33±10%以内で断続送出
送出電力 (−29−L) dBm以上−4dBm以下
話中音 信号送出形式 400Hzの周波数の信号を断続数60IPM±20%以内、かつメーク率50±10%以内で断続送出
送出電力 (−29−L) dBm以上−4dBm以下

かなり細かく法律で決まっているんですね。

ITU-T勧告

日本の法律で決まっていても、外国ではどうなのでしょうか。 世界の電話の決まりごとはITU-Tで決めています。 ITU-T勧告E.180では次の様に書いてありました(原文は英語ですが、簡略化して日本語に訳しています)

発信音は、連続音であるべきです。 推奨される音は400〜450Hzか、複数の混合音で少なくとも340〜425Hzと400〜450Hzの音があり音の間隔は25Hz以上離れているものです。 425Hzが薦められます。

呼出音は、短い周期の音で、音の出る時間は、音の出ない時間より短いものです。 推奨される音の出る時間は0.67〜1.5秒、音の出ない時間は3〜5秒です。 推奨される音は400〜450Hzで、425Hzが薦められます。 呼出音は16〜100Hzで変調されるかもしれませんが、薦められません。

話中音は、早い周期の音で、音の出る時間と、音の出ない時間は同じものです。 1周期は300〜1100ミリ秒であるべきです。 音の出る時間は、音の出ない時間の比率は0.67〜1.5の範囲にあるべきです。 推奨される音は400〜450Hzで、425Hzが薦められます。

そういえば外国の電話の呼出音は日本のと微妙に違うような気がしますね。

略語


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