28 デリバティブ取引に係るみなし決済及び現物決済 繰延ヘッジ 時価ヘッジ

[1]原則
(1)みなし決済
内国法人がデリバティブ取引を行った場合において、事業年度終了の時において未決済デリバティブ取引があるときは、その時においてその未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして算出した利益の額又は損失の額相当額は、その事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。
なお、その利益の額又は損失の額相当額は、その事業年度の翌事業年度の損金の額又は益金の額に算入する。
(2)現物決済
内国法人がデリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合には、その取得時におけるその資産の価額とその資産の取得の対価として支払った金額との差額は、その取得日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

[2]繰延ヘッジ
(1)利益又は損失の繰延
内国法人がヘッジ対象資産等損失額を減少させるためにデリバティブ取引等を行った場合([3]の適用がある場合を除く。)において、(2)の要件を満たすときは、そのデリバティブ取引等に係る利益の額又は損失の額相当額のうちそのヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効な部分の金額は、その事業年度の益金の額又は損金の額に算入しない。
なお、その繰り延べた利益の額又は損失の額相当額は、そのヘッジ対象資産等損失額を減少させようとする資産の譲渡等のあった日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。
(2)適用要件
@そのデリバティブ取引等を行った時から事業年度終了の時までの間にそのヘッジ対象資産等損失額を減少させようとする資産の譲渡等がないこと
Aそのデリバティブ取引等がそのヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められること

[3]時価ヘッジ
(1)評価益又は評価損の計上
内国法人が売買目的外有価証券の価額変動による損失額を減少させるためにデリバティブ取引等を行った場合において、(2)の要件を満たすときは、その売買目的外有価証券の価額と帳簿価額との差額のうちそのデリバティブ取引等に係る利益の額又は損失の額相当額に対応する部分の金額は、その事業年度の損金の額又は益金の額に算入する。
なお、その利益の額又は損失の額相当額に対応する部分の金額は、その事業年度の翌事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。
(2)適用要件
@そのデリバティブ取引等を行った時から事業年度終了の時までの間にその売買目的外有価証券の譲渡がないこと
Aそのデリバティブ取引等がその価額変動による損失額を減少させるために有効であると認められること