8-2 国庫補助金等に係る特別勘定等

[1]特別勘定
(1)損金算入
内国法人(清算中のものを除く。以下同じ。)が、次の要件を満たす場合において、繰入限度額以下の金額を確定した決算において特別勘定を設ける方法(決算確定日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含む。)により経理したときは、その経理した金額はその事業年度の損金の額に算入する。
(2)適用要件
@固定資産の取得又は改良に充てるための国庫補助金等の交付を受けること
Aその国庫補助金等の返還不要がその事業年度終了の時までに確定しないこと
(3)繰入限度額
交付を受けた国庫補助金等の額相当額
(4)取り崩し
特別勘定を有する内国法人は、その国庫補助金等の返還の要又は不要が確定した場合その他一定の場合には、その特別勘定の金額のうち一定の金額を取り崩し、その事業年度の益金の額に算入する。

[2]特別勘定設定後の圧縮記帳
(1)損金算入
特別勘定を有する内国法人が、次の要件を満たす場合において、その固定資産につき、圧縮限度額の範囲内で一定の経理をしたときは、その経理した金額はその事業年度の損金の額に算入する。
(2)適用要件
@国庫補助金等をもって交付目的に適合した固定資産を取得又は改良したこと
Aその取得又は改良をした日の属する事業年度以後においてその国庫補助金等の返還不要が確定したこと
(3)圧縮限度額
返還不要確定時の特別勘定の金額のうち本来の圧縮限度額相当額
(4)経理方法
@帳簿価額を損金経理により減額する方法
A確定した決算において積立金として積み立てる方法
B決算確定日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法
(5)備忘価額
圧縮記帳の規定により帳簿価額が1円未満となる場合にも、帳簿価額として1円以上の金額を付す。
(6)取得価額
圧縮記帳の規定により損金の額に算入された金額は、取得価額に算入しない。

[3]手続規定
[1][2]の規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書に損金算入に関する明細の記載がある場合に限り適用する。

[4]適格組織再編成
(1)適格分社型分割等
内国法人が適格分社型分割等を行う場合において、一定の要件を満たすときは、その直前に特別勘定の設定又は圧縮記帳が認められる。
(2)特別勘定の引継ぎ
内国法人が適格組織再編成を行った場合には、その直前の特別勘定のうち一定の金額を合併法人等に引継ぐ。