44 収用等に係る特別勘定等

[1]特別勘定
(1)損金算入
法人(清算中の法人を除く。以下同じ。)が、次の要件を満たす場合において、繰入限度額を確定した決算において特別勘定を設ける方法(決算確定日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含む。)により経理したときに限り、その経理した金額はその事業年度の損金の額に算入する。
(2)適用要件
@その有する資産が土地収用法等の規定に基づき収用等され、補償金等を取得すること
A指定期間内にその補償金等をもって代替資産を取得する見込みであること
(3)繰入限度額
(差引対価補償金の額(対価補償金-譲渡経費の額)のうち取得に充てようとする金額)×差益割合(注)
(注)差益割合
差引対価補償金の額-譲渡資産の譲渡直前帳簿価額/差引対価補償金の額
(4)取り崩し
特別勘定を有する法人は、代替資産の取得等をした場合その他一定の場合には、その特別勘定の金額のうち一定の金額を取り崩し、その事業年度の益金の額に算入する。

[2]特別勘定設定後の圧縮記帳
(1)損金算入
特別勘定を有する法人が、次の要件を満たす場合において、その代替資産につき、圧縮限度額の範囲内で一定の経理をしたときは、その経理した金額はその事業年度の損金の額に算入する。
(2)適用要件
指定期間内にその補償金等をもって代替資産を取得したこと
(3)圧縮限度額
代替資産を取得した日の特別勘定の金額のうち本来の圧縮限度額相当額
(4)経理方法
@帳簿価額を損金経理により減額する方法
A確定した決算において積立金として積み立てる方法
B決算確定日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法
(5)取得価額
圧縮記帳の規定により損金の額に算入された金額は、取得価額に算入しない。

[3]手続規定
[1][2]の規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、確定申告書に損金算入に関する申告の記載があり、かつ、明細書の添付がある場合に限り適用する。

[4]適格組織再編成
(1)適格分社型分割等
法人が適格分社型分割等を行う場合において、一定の要件を満たすときは、その直前に特別勘定の設定又は圧縮記帳が認められる。
(2)特別勘定の引継ぎ
法人が適格組織再編成を行った場合には、その直前の特別勘定のうち一定の金額を合併法人等に引継ぐ。