1-1 国税相互間における優先関係
[1]差押先着手による国税の優先
納税者の財産につき国税の滞納処分による差押をした場合において、他の国税又は地方税の交付要求があったときは、その差押に係る国税は、その換価代金につき、その交付要求に係る他の国税又は地方税に先だって徴収する。
[2]交付要求先着手による国税の優先
納税者の財産につき強制換価手続が行われた場合において、国税及び地方税の交付要求があったときは、その換価代金につき、先にされた交付要求に係る国税は、後にされた交付要求に係る国税又は地方税に先だって徴収する。
[3]担保を徴した国税の優先
国税につき徴した担保財産があるときは、[1]及び[2]の規定にかかわらず、その国税は、その換価代金につき他の国税及び地方税に先だって徴収する。
[4]強制換価の場合の消費税等の優先
強制換価の場合の消費税等の徴収の特例等の規定により徴収する消費税等(消費税を除く。)は、差押先着手による国税の優先等及び先取特権等の優先の規定にかかわらず、その徴収の基因となった移出又は公売若しくは売却に係る物品の換価代金につき、他の国税、地方税その他の債権に先だって徴収する。
[5]譲渡担保財産から徴収する国税及び地方税の調整の特例
(1)差押先着手による優先の特例
譲渡担保財産について、設定者の国税が担保権者の国税等と競合する場合において、その財産が担保権者の国税等につき差し押えられているときは、[1]の適用については、その差押がなかったものとみなし、設定者の国税につきその財産が差し押えられたものとみなす。
この場合においては、その担保権者の国税等につき交付要求があったものとみなす。
(2)交付要求先着手による優先の特例
譲渡担保財産について、設定者の国税が担保権者の国税等と競合する場合において、担保権者の国税等の交付要求の後にされた設定者の国税の交付要求があるときは、[2]の適用については、その設定者の国税の交付要求は、担保権者の国税等の交付要求よりも先にされたものとみなす。
この場合において、設定者の国税の交付要求が二以上あるときは、これらの交付要求の先後の順位に変更がないものとする。