3-15 債権額の確認及び配当手続
[1]配当すべき金銭の範囲
税務署長は、次に掲げる金銭をこの法律の定めるところにより配当しなければならない。
(1)差押財産の売却代金
(2)有価証券、債権又は無体財産権等の差押により第三債務者等から給付を受けた金銭
(3)差し押えた金銭
(4)交付要求により交付を受けた金銭
[2]配当の原則
(1)[1](1)又は(2)に掲げる金銭(以下「換価代金等」という。)は、次に掲げる国税その他の債権に配当する。
@差押に係る国税
A交付要求を受けた国税、地方税及び公課
B差押財産に係る質権、抵当権、先取特権、留置権又は担保のための仮登記の被担保債権
C引渡命令を受けた第三者等の権利保護の規定による損害賠償請求権又は借賃に係る債権
(2)差し押えた金銭又は交付要求により交付を受けた金銭は、それぞれ差押又は交付要求に係る国税に充てる。
(3)(1)又は(2)により配当した金銭に残余があるときは、その残余の金銭は滞納者に交付する。
(4)換価代金等が(1)の総額に不足するときは、税務署長は、国税と他の債権との調整などの規定により配当すべき順位及び金額を定めて配当しなければならない。
(5)(1)又は(2)により国税に配当された金銭を国税及びその延滞税又は利子税に充てるべきときは、その金銭は、まずその国税に充てなければならない。
[3]債権額の確認方法
(1)債権現在額申立書の提出
交付要求を受けた国税、地方税又は公課を徴収する者及び差押財産に係る質権等の被担保債権、引渡命令を受けた第三者等の権利の保護の規定による損害賠償請求権又は借賃に係る債権を有する者は、売却決定の日の前日までに債権現在額申立書を税務署長に提出しなければならない。
(2)債権現在額の確認方法
税務署長は、債権現在額申立書を調査して国税その他の債権を確認するものとする。この場合において、次に掲げる債権を有する者が債権現在額申立書を提出しないときは、税務署長の調査によりその額を確認するものとする。
@登記がされた質権、抵当権若しくは先取特権の被担保債権又は担保のための仮登記の被担保債権
A登記することができない質権若しくは先取特権又は留置権の被担保債権で知れているもの
B引渡命令を受けた第三者等の権利の保護の規定による損害賠償請求権又は借賃に係る債権で知れているもの
(3)登記のない被担保債権の取扱い
差押財産に係る質権、抵当権、先取特権、留置権又は担保のための仮登記の被担保債権のうち、(2)@及びA以外の債権を有する者が売却決定の時までに債権現在額申立書を提出しないときは、その者は、配当を受けることができない。
[4]配当計算書
税務署長は、換価代金等を配当しようとするときは、配当を受ける債権、税務署長が確認した金額その他必要な事項を記載した配当計算書を作成し、換価財産の買受代金の納付の日から3日以内に、次に掲げる者に対する交付のため、その謄本を発送しなければならない。
(1)債権現在額申立書を提出した者
(2)債権現在額申立書を提出していないため、税務署長がその金額を確認した債権者
(3)滞納者
[5]換価代金等の交付期日
税務署長は、配当計算書の謄本を交付するときは、その謄本に換価代金等の交付期日を附記して告知しなければならない。この場合の交付期日は、配当計算書の謄本を交付のため発送した日から起算して7日を経過した日としなければならない。
ただし、[4](1)及び(2)に該当する者がいない場合には、その期間は、短縮することができる。
[6]換価代金等の交付
税務署長は換価代金等の交付期日に配当計算書に従って換価代金等を交付するものとする。
なお、交付期日までに配当計算書に関する異議の申出があった場合の換価代金等の交付は、一定の定めによる。