3-2 差押換
[1]第三者の権利の尊重
徴収職員は、滞納者の財産を差し押える場合には、滞納処分の執行に支障がない限り、その財産につき第三者が有する権利を害さないように努めなければならない。
[2]第三者からの差押換の請求
質権、抵当権、先取特権、留置権、賃借権その他第三者の権利の目的となっている財産が差し押えられた場合には、その第三者は、税務署長に対し、滞納者が他に換価の容易な財産で他の第三者の権利の目的となっていないものを有し、かつ、その財産によりその滞納者の国税の全額を徴収することができることを理由として、その財産の公売公告の日までにその差押換を請求することができる。
[3]差押換の請求に対する措置
税務署長は、差押換の請求があった場合において、その請求を相当と認めるときは、その差押換をしなければならないものとし、その請求を相当と認めないときは、その旨をその第三者に通知しなければならない。
[4]換価申立
[2]を相当と認めない通知があった場合において、その通知を受けた第三者が、その通知を受けた日から起算して7日を経過した日までに、[2]により差し押えるべきことを請求した財産の換価をすべきことを申し立てたときは、その財産が換価の著しく困難なものであり、又は他の第三者の権利の目的となっているものであるときを除き、これを差し押え、かつ換価に付した後でなければ、当初差し押えた第三者の権利の目的となっている財産を換価することができない。
[5]換価申立に対する措置
税務署長は、換価申立があった場合において、その申立があった日から2月以内にその申立に係る財産を差し押え、かつ、換価に付さないときは、当初差し押えた第三者の権利の目的となっている財産の差押を解除しなければならない。
ただし、国税に関する法律の規定で換価をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。
[6]その他
[3]又は[5]の規定による差押は、国税に関する法律の規定で新たに滞納処分の執行をすることができないこととするものにかかわらず、することができる。
[7]相続人の権利の尊重
徴収職員は、被相続人の国税につきその相続人の財産を差し押える場合には、滞納処分の執行に支障がない限り、まず相続財産を差し押えるように努めなければならない。
[8]相続人からの差押換の請求
被相続人の国税につき相続人の固有財産が差し押えられた場合には、その相続人は、税務署長に対し、他に換価が容易な相続財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその国税の全額を徴収することができることを理由として、その財産の公売公告の日までにその差押換を請求することができる。
[9]請求に対する措置
税務署長は、差押換の請求があった場合において、その請求を相当と認めるときは、その差押換をしなければならないものとし、その請求を相当と認めないときは、その旨をその相続人に通知しなければならない。
[10]その他
[9]の規定による差押は、国税に関する法律の規定で新たに滞納処分の執行をすることができないこととするものにかかわらず、することができる。