3-5 第三者が占有する動産等の差押手続

[1]第三者の権利の尊重
徴収職員は、滞納者の財産を差し押える場合には、滞納処分の執行に支障がない限り、その財産につき第三者が有する権利を害さないように努めなければならない。

[2]第三者が占有する動産等への差押の制限
滞納者の動産又は有価証券でその親族その他の特殊関係者以外の第三者が占有しているものは、その第三者が引渡を拒むときは、差し押えることができない。

[3]引渡命令と差押
(1)引渡命令
[2]の動産又は有価証券がある場合において、滞納者の動産又は有価証券を占有しているその第三者がその引渡を拒むときは、滞納者が他に換価が容易であり、かつ、その滞納に係る国税の全額を徴収することができる財産を有しないと認められるときに限り、税務署長は、その第三者に対し、期限を指定して、その動産又は有価証券を徴収職員に引き渡すべきことを書面にて命ずることができる。
この場合において、その命令をした税務署長は、その旨を滞納者に通知しなければならない。
(2)期限
(1)の期限は、その書面を発する日から起算して7日を経過した日以後の日としなければならない。
ただし、その第三者につき繰上請求の事実が生じたとき、その他特にやむを得ない必要があると認められるときは、その期限を繰り上げることができる。
(3)引渡命令後の差押
(1)の命令に係る動産若しくは有価証券が徴収職員に引き渡されたとき、又はその第三者が指定された期限までにその引渡をしないときは、徴収職員は、[2]にかかわらずその動産又は有価証券を差し押えることができる。