4-7 滞納処分の停止
[1]要件
税務署長は、滞納者につき次のいずれかに該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。
(1)滞納処分を執行することができる財産がないとき
(2)滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき
(3)滞納者の所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるとき
[2]手続
税務署長は、滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。
[3]効果
(1)滞納処分の禁止
税務署長は滞納処分の執行を停止した場合には、その執行の停止期間中は、その停止に係る国税につき新たな差押をすることができない。
なお、生活を著しく窮迫させるおそれがあることにより滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る国税について差し押えた財産があるときは、その差押を解除しなければならない。
(2)納付義務の消滅
滞納処分の執行を停止した国税を納付する義務は、その執行の停止が3年間継続したときは消滅する。
なお、滞納処分を執行することができる財産がないことにより滞納処分の執行を停止した場合において、その国税が限定承認に係るものであるとき、その他その国税を徴収することができないことが明らかであるときは、税務署長は、上記にかかわらず、その国税を納付する義務を直ちに消滅させることができる。
(3)消滅時効の進行
滞納処分の執行を停止した場合には、その停止期間中においても、その停止に係る国税の徴収権の消滅時効は進行する。
(4)延滞税の免除
滞納処分の停止に係る国税の延滞税のうち、停止期間に対応する部分の金額は、免除する。
[4]取消
税務署長は、滞納処分の執行を停止した後3年以内に、その停止に係る滞納者につき停止に係る事実がないと認めるときは、その執行の停止を取り消さなければならない。
この場合には、税務署長は、その旨を滞納者に通知しなければならない。