5-1 保全担保
[1]要件
(1)担保提供命令
次のすべての要件に該当するときは、税務署長は、その国税の担保として、金額及び期限を指定して、その者に担保提供を命ずることができる。
@納税者が消費税等(消費税を除く。)を滞納したこと
Aその後その者に課すべきその国税の徴収を確保することができないと認められること
(2)担保提供の期限
(1)の期限は、担保提供命令に係る書面を発する日から起算して7日を経過した日以後の日としなければならない。
ただし、納税者につき繰上請求の事実が生じたときは、この期限を繰り上げることができる。
(3)担保提供の指定金額
(1)の指定金額は、次のいずれか大きい金額とする。
@その提供を命ずる月の前月分のその国税の額の3倍に相当する金額
A前年におけるその提供を命ずる月に対応する月分及びその後2月分の当該国税の金額
[2]抵当権の設定
(1)抵当権を設定する旨の通知
税務署長は、その国税(酒税を除く。)の担保提供を命じた場合において、納税者がその期限までに担保提供しないときは、その者の財産で抵当権の目的となるものにつき、指定金額を限度として抵当権を設定することを書面で通知することができる。
(2)抵当権のみなす規定
(1)の通知があったときは、その通知を受けた納税者は、その抵当権を設定したものとみなす。
(3)抵当権設定登記の嘱託
@(1)の通知をした場合には、税務署長は、抵当権の設定の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
A@の場合(Bの場合を除く。)においては、その嘱託に係る書面には、抵当権設定に係る通知が納税者に到達したことを証する書面を添付しなければならない。
B@の場合において、不動産登記法の規定における申請情報の提供による嘱託をするときは、その嘱託情報と併せて抵当権設定に係る通知が納税者に到達したことを証する情報を提供しなければならない。
この場合においては、不動産登記法の規定にかかわらず、登記義務者の承諾を得ることを要しない。
[3]担保の解除
(1)解除すべき場合
税務署長は、担保の提供等があった場合において、担保提供命令に係る国税の滞納がない期間が継続して3月に達したときは、その担保を解除しなければならない。
(2)解除できる場合
税務署長は、担保の提供等があった納税者の資力その他の事情の変化により担保の提供等の必要がなくなったと認めるときは、直ちにその担保を解除することができる。