1-1 課税客体
[1]固定資産税の課税客体
固定資産税の課税客体は、固定資産である。ここに固定資産とは、土地、家屋及び償却資産を総称するものである。
なお、課税客体となり得るか否かは、賦課期日(当該年度の初日の属する年の1月1日をいう。)における現況により判定される。
[2]土地の意義
(1)「土地」とは、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう。
(2)公有水面埋立法の規定による竣功認可前の埋立地等又は国が埋立若しくは干拓によって造成する竣功通知前の埋立地等で工作物を設置し、その他土地を使用する場合と同様の状態で使用されているものについては、これらの埋立地等をもって土地とみなし、固定資産税を課することができる。
ただし、埋立又は干拓に関する工事について使用されているものは除かれる。
[3]家屋の意義
「家屋」とは、住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。
なお、鶏舎、豚舎、堆肥舎等の簡易な建物は、社会通念上家屋と認められないものがほとんどであるため、原則として課税客体からは除かれる。
[4]償却資産の意義
(1)「償却資産」とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産でその減価償却額又は減価償却費が、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるものをいう。
なお、これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものは課税客体たる償却資産に含まれる。
(2)次の@からCの資産は、課税客体たる償却資産から除かれる。
@鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産
Aいわゆる少額の減価償却資産又は一括償却資産
B自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車
C牛、馬、果樹その他の生物
(3)「事業の用に供することができる資産」とは、現実に事業の用に供しているもののみをいうものではなく、遊休、未稼働のものでも事業の用に供し得る状態の資産であればこれに含まれる。
(4)次の@からCの資産は、現実に減価償却額又は減価償却費が損金又は必要な経費に算入されていないものであるが、本来減価償却のできる資産であるから、事業の用に供し得る状態のものであれば課税客体たる償却資産に含まれる。
@帳簿に記録されていない簿外資産
Aすでに減価償却を終わっている償却済資産
B赤字決算のため減価償却を行っていない資産
C建設仮勘定として経理されている資産でその一部が賦課期日現在すでに完成し使用されているもの
[5]特定附帯設備
特定附帯設備(家屋の附帯設備であって、当該家屋の所有者以外の者がその事業の用に供するため取り付けたものであり、かつ、当該家屋に付合したことにより当該家屋の所有者が所有することとなったもの)については、当該取り付けた者の事業の用に供することができる資産である場合に限り、当該取り付けた者を所有者とみなし、当該特定附帯設備のうち家屋に属する部分は家屋以外の資産とみなして固定資産税を課することができる。
この場合、特定附帯設備のうち家屋に属する部分は償却資産とみなすことができる。