1-3 納税義務者
[1]原則
(1)固定資産税の納税義務者は、賦課期日における固定資産の所有者(質権又は百年より長い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。)である。
なお、賦課期日とは、当該年度の初日の属する年の1月1日をいう。
(2)所有者の定義
@土地又は家屋
土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有家屋については、区分所有者とする。)として登記又は登録されている者をいう。
この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているとき、若しくは所有者として登記又は登録されている法人が同日前に消滅しているとき、又は所有者として登記されている固定資産税の非課税団体が同日前に所有者でなくなっているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいう。
A償却資産
償却資産については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいう。
(3)共有物等の取扱い
共有物等に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。
[2]みなし所有者
次の場合には、所有者とみなされた者が納税義務者となる。
(1)所有者の所在が震災等により不明の場合
市町村は、固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によって不明である場合には、その使用者を所有者とみなして、これを固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。
(2)国が買収した農地等の場合
農地法の規定によって農林水産大臣が管理する土地又は旧相続税法等の規定によって国が収納した農地については、下記の者をそれぞれ所有者とみなす。
@買収し、又は収納した日から国が当該土地又は農地を他人に売り渡し、その所有権が売渡しの相手方に移転する日までは、その使用者(農地法の規定による一時使用者は除かれる。)
Aその日後当該売渡しの相手方が登記簿に所有者として登記される日までは、その売渡しの相手方
(3)土地区画整理事業又は土地改良事業に係る施行地の場合
土地区画整理事業又は土地改良事業の施行に係る土地については、仮換地等の指定があった場合又は仮使用地がある場合には、下記の者をそれぞれ所有者とみなすことができる。
@当該仮換地等又は仮使用地について使用し、又は収益することができることとなった日から換地処分の公告がある日までは、
(イ)仮換地等にあっては当該仮換地等に対応する従前の土地について登記簿又は土地補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者
(ロ)仮使用地にあっては土地区画整理事業の施行者以外の仮使用地の使用者
A換地処分の公告があった日から換地又は保留地を取得した者が登記簿に当該換地又は保留地に係る所有者として登記される日までは、当該換地又は保留地を取得した者
(4)公有水面埋立法により使用する埋立地等の場合
公有水面埋立法の規定による竣功認可前の埋立地等又は国が埋立若しくは干拓によって造成する竣功通知前の埋立地等で工作物を設置し、その他土地を使用する場合と同様の状態で使用されているものについては、これらの埋立地等をもって土地とみなし、固定資産税を課することができる。
この場合には、下記の者をそれぞれ所有者とみなすことができる。
@都道府県等以外の者が使用する埋立地等にあっては、その使用する者
A都道府県等が使用し、又は国が埋立若しくは干拓によって造成する埋立地等にあっては、都道府県等又は国以外の者に使用させている場合に限り、当該埋立地等を使用する者(無償使用者等一定の者を除く。)
(5)信託償却資産の場合
信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。)が信託の引受けをした償却資産で、その信託行為の定めるところに従い当該信託会社が他の者にこれを譲渡することを条件として当該他の者に賃貸しているものについては、当該償却資産が当該他の者の事業の用に供するものであるときは、当該他の者をもって所有者とみなす。
(6)特定附帯設備の場合
特定附帯設備(家屋の附帯設備であって、当該家屋の所有者以外の者がその事業の用に供するため取り付けたものであり、かつ、当該家屋に付合したことにより当該家屋の所有者が所有することとなったもの)については、当該取り付けた者の事業の用に供することができる資産である場合に限り、当該取り付けた者を所有者とみなし、当該特定附帯設備のうち家屋に属する部分は家屋以外の資産とみなして固定資産税を課することができる。
この場合、特定附帯設備については、取り付けた者を所有者とみなすことができる。
(7)償却資産の所有権留保付売買の場合
償却資産に係る売買があった場合に、売主が当該償却資産の所有権を留保しているときは、当該償却資産は売主及び買主の共有物とみなされ、売主及び買主が連帯納税義務を負う。
ただし、実際の賦課徴収については、社会の納税意識に合致するよう原則として買主に対して課税するものとされている。