7-1 徴収方法
[1]徴収方法
(1)内容
固定資産税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
ここに普通徴収とは、徴税吏員が納税通知書を当該納税者に交付することによって地方税を徴収することをいう。
(2)納税通知書
納税者が納付すべき地方税について、所定の事項を記載した文書で当該地方団体が作成するものをいう。なお、固定資産税を徴収する場合に納税者に交付する納税通知書に記載すべき課税標準額は、土地、家屋及び償却資産の価額並びにこれらの合計額とする。
(3)課税明細書
市町村は、土地又は家屋に対して課する固定資産税を徴収する場合には、総務省令で定めるところによって、次の固定資産税の区分に応じ、各事項を記載した課税明細書を当該納税者に交付しなければならない。
@土地に対して課する固定資産税
(イ)土地課税台帳等に登録された所在、地番、地目、地積及び当該年度の価格
(ロ)課税標準の特例の適用を受ける土地については、価格に特例率を乗じた額
(ハ)固定資産税の減額の規定の適用を受ける土地については、減額する税額
(ニ)税負担の調整措置等の適用を受ける土地については、前年度課税標準額及び実際の課税標準となるべき額
A家屋に対して課する固定資産税
(イ)家屋課税台帳等に登録された所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び当該年度の価格
(ロ)課税標準の特例の適用を受ける家屋については、価格に特例率を乗じた額
(ハ)固定資産税の減額の規定の適用を受ける家屋については、減額する税額
(4)納税通知書等の交付期限
固定資産税の納税通知書又は課税明細書は、遅くとも、納期限前10日までに納税者に交付しなければならない。
(5)納期
@固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定める。
ただし、特別の事情がある場合には、これと異なる納期を定めることができる。
A固定資産税額が市町村の条例で定める金額以下である場合には、当該市町村は、@の納期のうちいずれか一の納期において、その全額を徴収することができる。
[2]仮算定税額による徴収
(1)内容
市町村は、総務大臣指定資産(船舶を除く。)に対して課する固定資産税については、申告すべき者が申告期限までに申告しなかったことその他やむを得ない理由があることにより納税通知書の交付期限までに総務大臣指定資産の配分通知が行われなかった場合には、当該通知が行われる日までの間に到来する納期において徴収すべき固定資産税に限り、仮算定税額を当該年度の納期の数で除した額の範囲内において、当該固定資産に係る固定資産税をそれぞれの納期において徴収することができる。
ただし、当該徴収することができる額の総額は、仮算定税額の2分の1を超えることができない。
ここに仮算定税額とは、当該固定資産に係る前年度の固定資産税の課税標準である価格を課税標準として仮に算定した額をいう。
(2)清算
市町村は、(1)の規定によって固定資産税を賦課した後において、総務大臣指定資産の配分通知が行われ、本算定税額に既に賦課した固定資産税額が満たない場合には、当該通知が行われた日以後の納期においてその不足税額を徴収し、既に徴収した固定資産税額が本算定税額を超える場合には、その過納額を還付し、又は当該納税者の未納に係る地方団体の徴収金に充当しなければならない。
ここに本算定税額とは、総務大臣指定資産の配分通知に基づいて算定した当該年度分の固定資産税額をいう。
(3)納税通知書
@市町村は、(1)の規定によって固定資産税を徴収する場合に納税者に交付する納税通知書は、(1)の固定資産とそれ以外の固定資産とを区分して、遅くとも、納期限前10日までに交付しなければならず、また、それぞれを一の地方税とみなして課税標準額、税額等の端数計算の規定を適用する。
A@の納税通知書には、総務省令の定めるところによって、次の事項その他必要な事項を記載しなければならない。
(イ)記載された課税標準額及び税額は、前年度の固定資産税の課税標準である価格及び仮算定税額であること。
(ロ)(2)の清算を行うこと。
(4)修正の申出
@仮徴収に係る固定資産の当該年度分の固定資産税額が仮算定税額の2分の1に満たないと認められる場合には、仮徴収される者は、納税通知書の交付を受けた日から30日以内に文書をもって市町村長に仮徴収される固定資産税額の修正を申し出ることができる。
A@の修正の申出に対する市町村長の決定は、その申出を受理した日から30日以内にしなければならず、この決定は文書で行い、かつ、理由を付けてその申出をした者に交付しなければならない。また、この場合において、その申出について相当の理由があるときは、市町村長は、当該年度分の固定資産税額の見積額を基礎として、仮徴収する固定資産税額を修正しなければならない。
(5)道府県が課する場合
総務大臣指定資産に該当する大規模の償却資産に対して道府県が課する固定資産税の仮徴収は、(1)から(4)の規定中「市町村」とあるのは「道府県」と、「市町村長」とあるのは「道府県知事」と読み替えて準用する。