1-2 国内取引の判定
[1]国内取引の判定
資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、次のそれぞれに掲げる場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。
(1)資産の譲渡又は貸付け
譲渡又は貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所(その資産が船舶、航空機、特許権などである場合には、一定の場所)
(2)役務の提供
役務の提供が行われた場所(運輸、通信その他国内と国外にわたって行われる役務の提供などである場合には、一定の場所)
[2]資産の譲渡又は貸付けの場合の一定の場所
[1](1)の一定の場所は、次に掲げる各資産の区分に応じその資産の譲渡又は貸付けが行われる時における次に定める場所とする。
(1)登録を受けた船舶
船舶の登録をした機関の所在地(2以上の国において登録をしている場合には、いずれかの機関の所在地)
なお、次に掲げる譲渡又は貸付けについては、その譲渡又は貸付けを行う者の住所地とする。
@居住者が行う日本船舶以外の船舶の貸付け
A非居住者が行う日本船舶の譲渡又は貸付け
(2)(1)に掲げる船舶以外の船舶
譲渡又は貸付けを行う者の譲渡又は貸付けに係る事務所等の所在地
(3)航空機
航空機の登録をした機関の所在地(登録を受けていない航空機については、譲渡又は貸付けを行う者の譲渡又は貸付けに係る事務所等の所在地)
(4)鉱業権、租鉱権、採石権等
鉱業権に係る鉱区若しくは租鉱権に係る租鉱区又は採石権等に係る採石場の所在地
(5)特許権、実用新案権、意匠権、商標権等
これらの権利の登録をした機関の所在地(2以上の国において登録をしている場合には、譲渡又は貸付けを行う者の住所地)
(6)著作権等
著作権等の譲渡又は貸付けを行う者の住所地
(7)営業権、漁業権、入漁権
これらの権利に係る事業を行う者の住所地
(8)有価証券(ゴルフ場利用株式など施設の利用に関する権利に係るものを除く。)
有価証券が所在していた場所
(9)登録国債
登録国債の登録をした機関の所在地
(10)合名会社、合資会社又は合同会社の社員の持分
持分に係る法人の本店又は主たる事務所の所在地
(11)貸付金その他の金銭債権
金銭債権に係る債権者の譲渡に係る事務所等の所在地
(12)ゴルフ場利用株式など施設の利用に関する権利に係るもの
ゴルフ場その他の施設の所在地
(13)(1)〜(12)に掲げる資産以外の資産でその所在していた場所が明らかでないもの
資産の譲渡又は貸付けを行う者の譲渡又は貸付けに係る事務所等の所在地
[3]役務の提供の場合の一定の場所
[1](2)の一定の場所は、次に掲げる各役務の提供の区分に応じその役務の提供が行われる際における次に定める場所とする。
(1)国内と国外にわたって行われる旅客や貨物の輸送
旅客又は貨物の出発地若しくは発送地又は到着地
(2)国内と国外にわたって行われる通信
発信地又は受信地
(3)国内と国外にわたって行われる郵便又は信書便
差出地又は配達地
(4)保険
保険に係る事業を営む者の保険の契約の締結に係る事務所等の所在地
(5)情報の提供又は設計
情報の提供又は設計を行う者の情報の提供又は設計に係る事務所等の所在地
(6)専門的な科学技術に関する知識を必要とする調査、企画などに係る役務の提供で生産設備等の建設又は製造に関するもの
生産設備等の建設又は製造に必要な資材の大部分が調達される場所
(7)(1)〜(6)に掲げる役務の提供以外で役務の提供が行われた場所が明らかでないもの
役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地
[4]利子を対価とする金銭の貸付けなどの場合
利子を対価とする金銭の貸付け又は預貯金の預入れなどの行為が国内において行われたかどうかの判定は、その貸付け又は行為を行う者のその貸付け又は行為に係る事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより行うものとする。
[5]用語の意義
(1)住所地
住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地をいう。
(2)事務所等の所在地
事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地をいう。