2-1 納税義務者及び小規模事業者に係る納税義務の免除(納税義務の免除の特例を除く。)

[1]納税義務者
(1)国内取引
事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務がある。
(2)輸入取引
外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、消費税を納める義務がある。

[2]小規模事業者に係る納税義務の免除
事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1千万円以下である者については、[1](1)にかかわらず、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等につき、消費税の納税義務を免除する。
ただし、別段の定めがある場合は、この限りでない。

[3]課税事業者の選択
(1)選択の届出及び効力
[2]の規定により納税義務が免除されることとなる事業者が、その納税地の所轄税務署長にその基準期間における課税売上高が1千万円以下である課税期間について課税事業者選択届出書を提出した場合には、その提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が1千万円を超える課税期間を除く。)中に国内において行う課税資産の譲渡等については、納税義務は免除されない。
ただし、その提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の一定の課税期間である場合には、その課税期間以後の課税期間中に国内において行う課税資産の譲渡等については、納税義務は免除されない。
(2)選択不適用の届出及び効力
@届出書の提出
課税事業者選択届出書を提出した事業者は、課税事業者の選択の規定の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、課税事業者選択不適用届出書をその納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
A届出の制限
課税事業者選択届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、課税事業者の選択の規定が適用されることとなった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、課税事業者選択不適用届出書を提出することができない。
B届出の効力
課税事業者選択不適用届出書の提出があったときは、その提出があった日の属する課税期間の末日の翌日以後は、課税事業者の選択の届出は、その効力を失う。
(3)届出に関する特例
@内容
課税事業者の選択の規定の適用を受けようとする事業者が、やむを得ない事情があるため課税事業者選択届出書をその規定の適用を受けようとする課税期間の初日の前日(その課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の一定の課税期間である場合には、その課税期間の末日。以下同じ。)までに提出できなかった場合において、その納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、課税事業者選択届出書をその課税期間の初日の前日にその税務署長に提出したものとみなす。
A申請書の提出
この承認を受けようとする事業者は、課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書を、その事情がやんだ後相当の期間内に、その納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
B却下
税務署長は、申請書の提出があった場合において、やむを得ない事情がないと認めるときは、その申請を却下する。
C通知
税務署長は、申請書の提出があった場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした事業者に対し、書面によりその旨を通知する。
D不適用届出書
課税事業者を選択している事業者が、その規定の適用を受けることをやめようとする場合に提出する課税事業者選択不適用届出書についても上記の規定を準用するものとする。

[4]一定の課税期間
[3]に掲げる一定の課税期間は、次に掲げる課税期間とする。
(1)事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間
(2)個人事業者が相続により課税事業者の選択の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合におけるその相続があった日の属する課税期間
(3)法人が吸収合併により課税事業者の選択の規定の適用を受けていた被合併法人の事業を承継した場合におけるその吸収合併があった日の属する課税期間
(4)法人が吸収分割により課税事業者の選択の規定の適用を受けていた分割法人の事業を承継した場合におけるその吸収分割があった日の属する課税期間

[5]基準期間における課税売上高
(1)基準期間
@個人事業者……その年の前々年をいう。
A法人……その事業年度の前々事業年度(前々事業年度が1年未満である法人については、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間)をいう。
(2)基準期間における課税売上高
@個人事業者及び基準期間が1年である法人
基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の税抜対価の額の合計額から、その基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額をいう。
A基準期間が1年でない法人
@の金額/基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数×12
(注)月数は暦に従って計算し、1月未満の端数を生じたときは、これを1月とする。