7-5 仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例
[1]内容
事業者(免税事業者を除く。)が、国内において行った課税仕入れにつき、返品をし、又は値引き若しくは割戻しを受けたことにより、その課税仕入れに係る支払対価の額の全部若しくは一部の返還又はその支払対価の額に係る買掛金その他の債務の額の全部若しくは一部の減額(以下「仕入れに係る対価の返還等」という。)を受けた場合には、次のそれぞれに掲げる金額をその仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、仕入れに係る消費税額の控除の規定を適用する。
(1)課税売上割合が95%以上の場合
その課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額からその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額(その支払対価の額につき返還を受けた金額又はその減額を受けた債務の額に4/105を乗じて算出した金額。以下同じ。)の合計額を控除した残額
(2)個別対応方式により計算する場合
次の@の金額にAの金額を加算した金額
@その課税期間における課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等の税額の合計額から課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除した残額
Aその課税期間における課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合(課税売上割合に準ずる割合の適用がある場合には、その割合。以下Aにおいて同じ。)を乗じて計算した金額から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
(3)一括比例配分方式により計算する場合
その課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額からその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
[2]消費税額の加算
仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額をその仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額があるときは、その控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなしてその課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。
[3]相続、合併又は分割があった場合
(1)相続があった場合
相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人により行われた課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、その相続人が行った課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けたものとみなして、[1]、[2]の規定を適用する。
(2)合併又は分割があった場合
(1)の規定は、合併により事業を承継した合併法人又は分割により事業を承継した分割承継法人について準用する。